価格競争の標的になった商品は二度と市場を賑わせることがない!

♥ 明日23日は天皇誕生日で祝日、24日はクリスマスイブ、そしてクリスマスと続き、あれよあれよという間にお正月休みに入る気ぜわしいころとなりました。

今のところ雪と無縁でいられることが有り難くて、今日も太陽が輝く一日で外仕事が気持ちよくできたのではないでしょうか?

私はいつもと変わらず、接客をこなしながら初売りに向けての模様替えの最中で、変化に乏しい日だったかもしれません。

DSC_0019furosikiko-na-.JPGその模様替えも少しずつ進んでいて、今日は風呂敷コーナーをイメチェンすることができました。

風呂敷には開店当初からこだわりも持っていて、種類と量は何処の店にも負けないくらい品揃えをしています。

年が明ければ春の風呂敷展を開催するともりでいますが、仕入れ先の話によれば、取り扱う店が少なくなっていて、売り上げ作りに苦労することを話していました。

風呂敷に限らず、生活様式と新しい文化の価値観に押されて、和物商品を販売することが難しくなってきています。

そのことで、呉服店のあるべき姿も変わってきていて、業態を変えたり廃業に追い込めれた先も少なくないことを聞かされております。

染めの着物に特化する仕入れ先が話していましたが、振袖市場がセット販売で売られるようになってから年々価格帯が下がり、振袖を販売することから振袖のレンタルへと移行された店が増えているとか・・・

しかし、その世界も価格競争が激しくて、近年は振袖レンタルの価格帯を抑えた化学繊維の振袖が市場に流れ始めていることを聞きました。

この現象は自ら店の経営を苦しくして行く典型的な例で、間接的に市場を混乱の渦に巻き込む行為ではないかと考えています。

私の経験から価格競争に標的にされた商品は、二度と正常な状態に戻ることがありません。

記憶が正しければ、その始めりはウールの着物ではなかったでしょうか?

時を同じくして入卒の装いとして誰もが手にした黒の絵羽織も大フィーバーしたものに、いつしか市場から消えてしまいました。

そして次に市場を賑わせたのが、高価な泥大島紬が価格競争に渦の中に巻き込まれて、月一万円の36回払いで手にできるローン販売が世に出てきて市場が一気に膨らんだものの、数年後にはそのブームも去り大島紬の産地は取り返しのつかない打撃を追うことに・・・

以来、大島紬の生産量は急激に落ち込み産地の作り手も少なくなったと聞いています。

その後もさまざまな商品が価格競争の標的とされて、注目を集めてはいつしか市場から影を潜めていっているのが現実で、いずれ振袖も元に戻れない市場にへと弱体化の道を辿るのではないでしょうか?

そのことを考えると、市場の流れに振り回されないで、我が道を歩く姿勢が長続きする秘訣ではないかと思います。

それは価格競争でないことを歴史が物語っているとすれば、自らが独自の強みを育て、市場の変化に対応していく努力が 業界に求めらているのかもしれませんね。

新しい年を前にして、大切にしなければならない点を拾い出しながら信じる道を探し出してみたいと考えているこの頃です。

それではこれにて・・・

お休みなさい。

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