今日は仕事を休んでいたもので、これといって取り上げてみたい話題がありません。
そこで、和装業界の未来について書いてみたいと思います。
数日前に京都の老舗メーカーさんが廃業するとの話を耳にしました。
直接話を聞いた訳ではないので、その情報が正確なものなのかは、もう少し経ってから真相が判るのではないかと思いますが、業界の中ではとても名前が通った染屋さんです。
私たちの業界では、高齢のために職を離れたとか、呉服店が店じまいをしたとか、この仕事の見切りをつける人たちが後を絶ちません。
「時代が変わった」といえばそれまでのことですが、大きな要因として考えられることは、着物離れが進んでいることが挙げられるのではないでしょうか?
視方を変えれば、着物に対する価値観が変わってきていて、その変化を受け止められないままにいたことが、取り残されてしまったといえるのかもしれません。
今や着物はレンタルやリサイクルショップが勢いを増していて、その様子がネットやメディアから様々な情報として流出していることが目に付きます。
着物の提供の仕方も販売方法も変わってきていて、お手軽感が若い世代の心を掴んだのか、着物業界のにうねりを起こしているように思えます。
きもの専門店として生きる道を選んだ私たちは、その「お手軽感」をどう受け止めるか?
ここに業界の未来が隠されいる気が致します。
単純に考えれば、世の中の流れに沿う商品の提供もあろうかと思います。
仕立て上がった着物やセット価格でお客様が手を出しやすいプライスゾーンを狙うことも選択肢にあるのかもしれませんが、着物愛好家にとって「お手軽感」を埋めることに繋がるのでしょうか?
私はそのことをとても疑問に思っていて、私たちの客層においては、「お手軽感」は気軽に相談ができる関係ではないでしょうか?
それは着物初心者に優しい関係作りで、お客様の立場で物事を考えられる親切な関わり合いではないかと思います。
この関係を店作りの心臓と考え仕事の技を磨くことは当然のことですが、ネット社会をどのようにして生かしていくかを考える必要性があります。
ここを押さえておかないと、時代に取り残されるだけでなく、小さな商圏では商いが難しくなるのではないでしょうか?
言葉で言うことは簡単です。
それをどこから実行していくか?
結果はすぐには現れないと、覚悟を持って取り組めるのか?
そして「お手軽感」の持つ意味をどこまで伝えきれるのか?
「今さら」と思うのか、「これから」と考えるかで明暗が分かれるかと思いますが、無駄な時間を使い失敗を重ねて、選択できる道を探し出せるのではないでしょうか?
そしてそのことが業界に発展に繋がると、私は信じたいです。
それではこれにて・・・
お休みなさい。