穏やかな天気にも恵まれた朝、妻と大親友だったご家族の三姉妹の次女さんが晴れて結婚式を迎えることとなり、娘たちと共に見に行ってまいりました。
家の中に入ると花嫁さんの色打掛の着付けも終わっていて、その周りを取り囲む家族の姿が目に飛び込み、忘れかけていた日本人の家族の形に心がウルウルするものがありましてね~
その空気に触れるだけで家族の絆というものが見えて来て、大人の女性の着物姿が、より一層慶びの日を映し出すものがありました。
しばらくして玄関先に出てみると、いつもと違う様子に気づかれたのかご近所の人も集まっていました。
そこには色打掛を着た花嫁に温かい目が注がれていて、清々しい光景に触れることができて本当に良かったと思っています。
そしてその中に、華やかな着物が存在していたことを嬉しく思った次第です。
「Yちゃん、幸せな家庭を築いて行ってくださいね。陰ながら応援していますよ・・・」
亡き妻も遠くから目を潤ませていたのではないかと思います。
さて話は変わりますが、ご結納を済まされた県外のお母さんから着物のお手入れについてご相談がありまして、いい機会でもあるので、そのことを記事にしてみます。
その方は、ご結納に色無地をお召しになり、その後の着物のメンテナンスを考えているのだが、着物を購入した呉服店さんが廃業されていて、相談できる店が見当たらないことからご相談をいただいたものです。
その事を受けてアドバイスさせていただきます。
気候的に暑さが残る季節でもあり、絹の着物には目には見えない汗が一番の天敵かと考えています。
なので、素肌に近い長襦袢は必ず丸洗いという着物業界に伝わるお洗濯をしておかれた方がよいでしょう。その時に半衿も一緒に丸洗いをするので半衿を取り外す必要はありません。
次に着物ですが、汚れていないからといって、しばらく陰干しをしてから片づけることには危険が伴うのではないでしょうか?
その一つには汗です。特に帯を結んだいる部分に汗が付着していることが考えられますし、袖口にも汗が付着するものです。
そのことを考えると、専門家に着物の状態を見ていただくことが大切かと考えています。
できれば長襦袢と同じく丸洗いをしておかれた方が安心ではないでしょうか?
そして腰紐や伊達締ですが、脱いだ時の湿っぽさがあれば、ハンガーに吊るされて霧吹きをして陰干しをしておかれると、汗の匂いは水気と共の蒸発します。そてくらいで留めておかれればよろしいのではないでしょうか?
乾いた後にシワを取って片付けください。
これは帯〆帯揚げの場合でも同じかと考えていますが、特に帯揚げに汗とシワが残ると思うようであれば、これも丸洗いに出された方が安心かと思います。
洗濯機で洗えるものといえば、肌着と足袋、そしてナイロン系の腰紐だけだと考えてください。
いずれにしても、着物に着慣れていない方は専門家に相談をされてから判断されることをお勧め致します。
そしてご相談者からこのようなこともメールに書いてありました。
この機会にタンスにある着物を点検したところ、他の着物にシミが出ているものがあってビックリされたそうです。
そのシミはカビなのか、着終わった時の汚れがシミとして現れたものなのかは判断できるものではありませんが、そのまま放置しておくと、手に負えない深刻な状態になると考えられるので専門家に見てもらって判断を仰ぐことが必要です。
そのことを踏まえ、ご面倒でなければ気になる着物などを当店に送っていただけたら、どのようなメンテナンスが必要なのかの判断と、丸洗いやシミ落とし、更にはカビが出ているときにはカビ取りなども請け負うことができるので気軽にご相談をいただけたらと思っています。
何がしかの作業が必要とするものは、その説明とお見積りを取らせていただきたいと考えています。
近くのクリーニング屋さんでも請け負っていただけると思いますが、窓口で的確な判断ができるのは着物を専門に扱う店ではないかと思います。
また、お店によって判断が異なることもありますが、歴史のある店であれば安心を買うことができると私は考えています。
冷静に判断されてみてください。
今朝は花嫁さんを送り出してから娘たちと店に集結。
昨日に引き続き、風呂敷の包み方を動画に収めるために店に寄ってもらったのですが、そうなると孫守りは私の仕事です。
孫を店から連れ出して3人でお散歩の時間。
つまずいて転ぶは、ご近所の庭先に入って草花に触れるはで、聞き分けに乏しい孫を操縦することの難しさから、私の声も大きくなってしまいます。
とにかく気をそらすことが効果的ではあるものの、2時間近く超えるとヘトヘトにさせられます。
その間、来客があると携帯が鳴り、二人を抱えて店に戻らなくてはならないこともあり、午前中でエネルギーを使い果たしてしまいました。
疲れましたが、二人の行動を見守っていると笑えるものがあって楽しいものです。
それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。