月末近くなると京都の仕入れ先が様子伺いに寄ってくれていますが、北陸地方は今回の大雪で仕事にならないと呟く声が届いてまいります。
情報紙を持ってお得意先を回って歩いても、怖い思いをした話を聞くことになり、大雪の後遺症が笑い話に変わりつつあるようです。
これまでに経験のしたことがない雪だったことが至る所から笑い話のようにして届くようになり、少しづつですが穏やかさを取り戻せるようになった感があります。
日々の寒さは抜けきりませんが、こうして私たちの生活にも足を忍ばせながら春が近づき始めているのでしょう。
店には美しいキモノの春号も届いていて、その雑誌からも春の訪れを感じさせられるものがありました。
ここまで来たら雪が降ってもなごり雪で留めていただきたいものですが、この春号を見ていると、春の色が黄色や若草色に変わっていていることに気づかされます。
そして、紬や小紋が特集されていて、カジュアルの注目度の高さを感じながらも、驚きを持ったのは、レンタルの着物がこの雑誌に登場したことです。
たかが1頁のことですが、私には一線を越えたものに思えました。
捉え方を変えれば、時代背景を映し出しているのかもしれません。
しかし、この先レンタル着物の頁が増えるようなことになれば、物販業に影響を及ぼすことは免れないだけに、考えさせられるものがあります。
いまや着物レンタル業界は、きもの専門店を脅かす市場になっているだけに、お互いに切磋琢磨しないといけないと考えていますが、歴史ある「美しいキモノ」にきものレンタルが掲載されたということは、時代が変わったことを示しているのかもしれません。
一方で、着物の胴裏や八掛を専門に作っているメーカーさんが店に来ていて、絹の高騰から値上げをしなければならない状況下にあって悩ましい話をされていました。
それは綿や麻素材にも値上げ及んでいて、すべての商品が値上がりしているといっても過言ではありません。
そこには、値上げをしないと会社の存続が難しくなっている背景がありますが、物が売れていない時代に不利益を及ぼすことにもなります。
そんな時代の流れ中で、着物の価値を伝えていかなくてはならないかと思うと辛いものがありましてね~
着物愛好家にとって着物選びの選択肢は広がっていますが、物販業は今のままでと止まっていれば、目に見えてきもの専門店が減少することでしょう。
その意味でも美しいキモノの雑誌に載せられた1頁は、業界に一石を投じたといえるのかもしれません。
春号の美しいキモノには、ここにあるような色合いの雰囲気のものが多く載っていて、ここにも”あるぞ”とばかりに、桜の帯でコーディネートした着物コーディネートをアップしてみました。
悶々としていたものを掻き消す優しい春を伝えていて、入学式などに着こなしていただけたら幸福感を味わっていただけるのではないでしょうか?
そしておしゃれなセンスが見る人の心を潤すことでしょう。
待ちこがれる春をどうか着物で過ごされてみてください。
いつもと違う世界が見えてきて、日本人であることを誇りに思えるのでは・・・
それではこれにて・・・
お休みなさい。