長い時間をかけて準備をしてきました御召展が始まりました。
天候にも恵まれ好スタートを切れるかと思っておりましたが、物足りなさを感じる一日で、現実を甘く見ていたところがあったかもしれません。
これが現在の私の実力なのかもしれないと思いながらも、ストレートな提案をご理解してくださる方もいらっしゃって、いつもと変わりなく仕事を終えることができました。
幕が開けたばかりなので明日に期待を寄せておりますが、半年に一度、直球で新しい商品を提案させていただくことって簡単ではありません。
商品の手配もあれば、情報をクリアーに伝える難しさもあって、加えて、着物になると小物を選ぶような金額のものではなくてマニアックな世界です。
それ故に考えていたようにならないと思わなくてはありません。
結果を急ぐのではなくて、ふくしまさんの提案なら信頼できると思っていただける、安心ブランドを築いて行くことが何よりも大切で、そのことに力を注ぐことで店の存在価値が高まるのではないかと考えております。
特に半年に一度開く会は、業界に存在している商品をこの店から紹介し、着物への認識を広めていただくことを目的とした側面もあります。
経営とのバランスを考えると現実は私の想いを砕くものがありますが、焦ってみたところで結果が変わるものではなく、私の役割を果たしたいと思っているところです。
こちらの着物は加賀友禅訪問着で、地色や柄の取り方がこれまでの加賀友禅とは違うものがあり、とても気にっております。
柄名は「清澄(せいちょう)」と名付けられていて、その意味は澄みきっていて清らかなことだそうです。
躍動感の中に涼しげな色を挿していて、パーティの席などにお召しになられると、品格のある爽やかがあり、着る人の心を清らかにしてくれることでしょう。
特に地色の柔らかなレモン色に都会的なセンスを感じています。
心を豊かにしていただくことができたかと思いますが、店の奥には加賀友禅とは対照的な西陣織り御召をディスプレーしておりますので、是非ともこの機会に足をお運びいただけたらと思います。
そして今日は亡き妻の誕生日の日でもありました。
元気でいたなら59歳になりましたが、いつも貴女に呼びかけている声は届いているでしょうか?
「誕生日おめでとう!」
日々の仕事に夢中で気が回りませんでしたが、お花をスタップから頂戴して妻も喜んでいたことでしょう。
ありがとうございました。
こんな私ですが、どうか遠くから私たち家族を見守っていてくださいね・・・
それではこれにて・・
お休みなさい。