10年の歳月を呑み込んだ妻の命日・妻に伝えたいこととは・・・

妻の命日 店主のひとりごと
和雑貨「ハロゥイン」

和雑貨「ハロゥイン」

 

今日はバレンタインデーの市場を越えたと言われている「ハロゥイン」の日。

 

テレビで仮装して人が集まる渋谷の様子がニュースになっていますが、異常とも思える盛り上がり方で、平和な国であることがうかがえます。

 

日本の歳時記を継承する側としては、バレンタインデーにハロゥイン、そしてクリスマスと、海外から入って来た文化は国民の価値観を変えていて、その勢いに戸惑わされています。

 

これが現代なんでしょうね~

 

 

実はその陰にとても大切な日となる出来事がありましてね~

 

それは妻がこの日に命を絶った日です。

49歳という若さでした。

 

忌わしい日から10年の月日が経ちましたが、当時はハロゥインなんてそんなに騒いでいない時でした。

世相の変わりように妻も驚いているのではないかと思いますが、私は髪が少なくなっても当時と何も変わっていかもしれません。

 

妻と立ち上げたこの店を守るために家庭を顧みずに仕事ばかりしていて、3人の子どもは妻にまかせっきり。

安定した生活とは言えるものではありませんでしたが、妻を軸に我が家は幸せな家庭を持つことができていました。

 

それが、妻に病魔が襲っていることが判ると何もかもが逆回転し始めて、恐怖の世界を彷徨っていたことを思い出します。

 

当時長女と長男は社会人でしたが、下の娘は高校3年生で子育てを終えようとしていて、これからという時の別れは無念であったに違いありません。

 

そして10年前の今日という日が訪れたのです。

 

それからというものは、何もかもが私の肩に乗ったような気持ちになり踏み出す道も見失っていて、その支えとなってくれたのが子供たちで、お客様や仕入れ先でした。

 

 

その時に誓いを立てた言葉が、今も目の前の壁に張り出されています。

 

 

 

誓いの言葉

誓いの言葉

 

褒められた字ではありませんが、「負からの挑戦 二人で築いたこの道を耕す 願いというクワを持って」

 

その願いに寄り添ってくれていたのが、心の中で見守ってくれていた妻で、生活を共にしていた子供たちでした。

無我夢中で駆け抜けた10年で、子供たちや多くの人たちのご支援があって今日があることは、感謝の一言に尽きるものがあります。

 

 

その「願いのクワ」を今も持ち続けていることを思うと、当時と何も変わっていないと言えるのかもしれません。

 

 

 

妻の命日

妻の命日

 

お母さん。

3人の子供たちは、お母さんの亡き後に愛する人を見つけて巣立って行きました。

3人とも我が家の近くで家庭を持ち、子宝にも恵まれて、いっちゃんは(長女)お母さんの同じ誕生日月に三番目の子供を産もうとしています。

 

来年の4月になれば6人の孫を持つお爺さんになるなんて信じられないでしょう。

そして、高校生だった萌(次女)はこの店を手伝いをしてくれていて、自分に足りないIT関係の仕事をサポートしてくれているんですよ。

 

 

10年前は、こんな日が来ることを誰もが想像できなかったのではないかな~

これも遠くからお母さんが見守ってくれていたからでしょう。

 

しかし10年という歳月は、和装業界を変えるものになっていて、和文化への価値観や着物離れも進んでいて、店作りが難しい時代に入りました。

 

辛いことや心細いことがあると、貴方の前で口説いていますが、そんな自分に変わりなく寄り添ってくれていていることに感謝しています。

 

私たち家族が呑み込んだ10年は人生の価値を生み出すものがあり、この踏み台を元に新たな価値を生み出さなくてはなりません。

 

娘たちは家庭の主婦として、息子は一家の大黒柱として、そして子供たちの親として、厳しい航海の荒波を受けながら逞しく舵取りをしなくてはなりません。

 

自分はいつまでクワを持ち続けることができるか分かりませんが、老体にムチ打って二人だ築いた田畑に花を咲かせたいと思っています。

 

へこたれそうになったときは、遠くからパワーを送って下さいね。

 

 

 

 

お墓参り

お墓参り

 

娘を連れ出してお母さんに会いに行くと、墓前には多くの花が手向けられていて、10年経っても貴女を忘れていない人がいることを夫として嬉しく思うものがありました。

 

明日は京都出張の日です。

厳しい現実を見せつけられるのでしょうが、私を信じて付いて来てくれた妻のためにも、踏み出す勇気を持ってこの先のことを考えたいと思っています。

 

それではこれで10月を閉じることと致します。

お休みなさい。

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