春の陽気が続いていて、少しづつ春の生活へと移り始めたのではないでしょうか?
来客が多いとはいえませんが、入学式の着物の装い相談も入るようになり、日を追うごとに冬が遠のいて行くこの頃です。
今月は28日で2月が終ることもあり、新しい月に向けて少し模様替えをしてみました。
模様替えを終わりかけた頃に、一人のお客様が入ってこられて、入学式に黒い帯を締めてもいかと相談がありましてね~
娘さんの着物をお母さんが管理していらっしゃる様子で、着物と帯をお持ちいただけたらアドバイスができることをお伝えすると、改めて着物と帯を持ってお越しになられました。
拝見させていただくと黒地のフォーマル系の袋帯で、お持ちになられた訪問着と合わせ求められたそうです。
好きではなかったのにお店の方に勧められて買ってしまったことを悔やんでいらっしゃって、黒地が趣味性を高くしているところがあり、初心者向きと思えないところがあったのかもしれません。
入学式に着れるものかと判断出来るものでした。
帯が使えないようであれば娘にスーツで行くように話そうと思っていると言っていましたが、できれば入学式に来ていただきたいし、着物に馴染んでいただきたいと考えるのが店側の見解です。
そこで帯〆と帯揚げの色を入れて、上品な明るさを引き出すコーディネートを紹介させてただきました。
ご納得いただけたみたいで、次は帯〆帯揚げなどの小物を持ってお越しになられるのではないかと思っております。
接客中に何度も口にされていたのが、
「敷居が高くて寄れなかった。この店で着物のことを相談すればよかった!」の言葉でした。
これがご縁で気軽にご利用いただかることをお伝えさせていただきましたが、他のもう一人、幼稚園の卒園式に女の子のお子さんに袴を着せたいとの電話相談があり、その用件でお越しになられた若いお母さんも、店の存在を知っていても敷居が高くて寄れなかったそうです。
この地域の方には店が近くにあっても遠い存在にあるみたいで、着物相談の最後の砦みたいなところがあるのかもしれません。
最初の出会いがどうであれ、新しい出合いを持つことができ、そして笑顔でお帰りになられたことを思うと、新しい扉が開いたと言えるのでしょう。
このような積み重ねがファンを増やすきっかけになり信頼を高めて行くのかもしれませんね。
気の遠くなる話ですが、見逃せない現実を真摯に受け止めて、どうしたら生活に身近な存在になれるのかを考えてみたいです。
こちらの画像は春の結婚式のお呼ばれや入学式のママの着物を意識して、附下をコーディネートしたものです。
あっさり系の附下ですが上品さがあって魅力的でしょう。
附下は訪問着に比べると柄の模様が少なくなりますが、それが返って控えめな女性を印象付けるところがあり、入学式のような式典には、華美にならず適度な華やかさもあって申し分のない着物かと思います。
入卒シーズンに入ろうとしていますが、お着物をお持ちであれば着物を着てみてください。
必ずや新しい発見が心を豊かにしてくれることでしょう。
その後の着物のお手入れは地域の呉服店がしてくれるかと思うので安心してお召しください。
それではこれにて・・・
お休みなさい。