荒川眞理子氏の型絵染を10月18日より4日間当店にて発表させていただきます

「型絵染の帯」荒川眞理子作

雨が降り続いていまして、日が落ちた頃になると空気が入れ替わったかのようで、秋が訪れていることを体感できるようになりました。

 

閉店間際に外に出てみると、行き交う車のヘッドライトが眩しく映り、降る雨に誘われる寂しさを感じさせられています。

 

ようやく秋がスタートしはじめたのではないでしょうか?

 

店は18日から開催する神無月の会に向けての準備とご案内に終われていて、密度の濃い時間と向き合いながら仕事をさせていただいています。

 

 

 

 

型絵染展のご案内
型絵染展のご案内

 

今回の神無月の会では、型絵染の染織作家・荒川眞理子氏の作品を紹介させていただきたいと考えていまして、今日はその型絵染について触れてみたいと思います。

 

どうかしばらくお付き合いくださいますように・・。

 

着物の染め物にはいろんな商品がありまして、「加賀友禅」「京友禅」「東京友禅」と呼ばれる手描き友禅だったり、「絞り染」「ローケツ染め」「草木染」という呼び方をする着物もあれば、「江戸小紋」「更紗小紋」「紅型」といって型紙を使って染める染め物もあり、長い歴史の中で培われてきた染の技法多さに専門真としても戸惑うものがあります。

 

その中に「型絵染」という技法のしめものがあり、型絵染で重要無形文化財保持者に認定された方で、稲垣稔二郎氏は昭和38年、鎌倉芳太郎氏は昭和58年、芹沢銈介(せりざわけいすけ)氏は昭和59年に亡くなられています。

三人の方の着物はもちろんですが、染絵など美術品と言える作品を多く残されていて型絵染をされる方達の目標となった方々でした。

三氏の後に人間国宝に認定される方が出ていませんが、型絵染の技を引き継いでいらっしゃる方のお一人に荒川眞理子氏がいらっしゃいます。

 

 

 

「型絵染の帯」荒川眞理子作
「型絵染の帯」荒川眞理子作

 

こちらは型絵染で染められた荒川眞理子氏の作品で全通柄の染帯になります。

荒川氏は現在67歳でいらっしゃって、染める生地の手配から、図案構成➡型紙彫り➡糊置き➡染色に至るまで、すべての工程をお一人で製作に携わっていらっしゃる作家さんです。

 

それは染料よりも顔料を多く使って染めた染物の一つで、染め上がりの発色が艶やかで、琉球紅型にも似た香りを秘めた味を持つものです。

 

私は顔料を使って版画のように染めた型絵染が昔から好きで、仕入れ先の勧めで今年5月に茨木県水戸市で活動していらっしゃる荒川氏の工房へお邪魔したことがご縁で、初めて荒川氏の型絵染を当店で紹介させていただく運びとなったものです。

 

荒川氏は現在活躍中の染織作家100人の中にも選ばれていまして、現在書店に並んでいる美しいキモノ秋号にも訪問着が紹介されていますが、私からすれば願いが叶って「型絵染展」を開くことができたと言えます。

 

 

 

 

「型絵染の帯」荒川眞理子作
「型絵染の帯」荒川眞理子作

 

この紫地の帯は、5月に荒川氏の工房にお邪魔させていただいたときに当店のオリジナル品として染めていただいた品になります。

 

紬地に染められた全通柄の帯で、結城紬や大島紬などの上にも映えますし、江戸小紋などの無地感の着物に合わせても素敵かと思っております。

 

当店で会を開くこととなり、着物や帯の作品を作っていただいているところで、お一人で創作してしていらっしゃることもありまして、ご紹介させていただく品には限りがありますが、型絵染がどのような染物かを深くご理解していただくためにも、会期中の18日(金)と19日(土)の二日間、荒川氏に来ていたいて型絵染の魅力に迫ってみたいと思っています。

 

また、この機会を有意義なものにできればと、18日の閉店後には、お客様と荒川氏と交流会も企画しております。

定員は7・8人の少人数での交流会を考えていまして、会費は千円としてお弁当を用意させていただきますので、ごゆっくりしていただいて、いろんなお話を聞け場になればと考えているところです。

交流会の定員が埋まりつつありますが、興味をお持ちでしたらお早めに連絡をいただけたらと思っています。

 

何分にも初めて取り組む会とあって、いろいろ準備をしなければならないことが多くありますが、本物と言える作品をお伝えできる機会に恵まれてベストを尽くして臨みたいと思っているところです。

 

型絵染展は10月18日(金)~21日(月)までの4日間となりますが、是非この機会に足を運んでいただけたら嬉しくもいます。

昨日は神無月の会に発表する来年の干支飾りの話。そして今日は型絵染の話と二日間続けて長文になりましたが、お付き合いくださいましたことに感謝いたします。

ありがとうございました。

 

ではこれにて・・・
お休みなさい。

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