十数年間、月初めに京都の仕入れ先を尋ねて商品や情報を手にすることが私のライフワークとしていましたが、これまでに二度ばかし京都へ向かわなかったことがあります。
それは妻の亡くなった後の11月と先月の5月です。
新型コロナ感染拡大で非常事態宣言が出されていた時で、ほとんどの仕入れ先が月商の展示会を見送り、外出を自粛しなければならなかったからです。
そのこともありまして、仕入れ先の担当者とは長い期間顔を合わせていなくて、仲間に合えるという思いもあって京都での月商を楽しみにしていました。
その日が今日でした。
いつも通り早起きをして近くのJRの駅に隣接している立体駐車場まで車で行って、そこから電車に乗り換えて京都へ向かうのですが、なんと、駅が封鎖されたのかと勘違いするくらい立体駐車場に車が一台も止まっていなくてビックリしました。
「もしや・・・!」、駅に行ってみるとその感は的中していまして、特急列車の走らす本数が少なくなっていたんですね~
結局、いつも利用する電車は運休になっていまして、電車を乗り継いで京都へと向かった次第です。
この時点でワクワク感は打ち消されていて、コロナの後遺症的な現実と向き合うことになったのでした。
京都は約2か月間のご無沙汰でしたが、京都駅も地下鉄の電車も人が少なく、仕入れ先にお邪魔しても同業者はほとんど着ていなくて、深刻な状態であることが一目で分かるものでした。
お邪魔した先でコロナの影響や他の地区の専門店さんの動きなど、さまざまな情報交換をしてまいりましたが、出口が見ない状況への不安が見え隠れしながらも、最後に落ち着く着地点は、互いに手を取り合って共に頑張ろうと励まし合っていた感じがします。
先のことは神様でないので分かりませんが、体力の乏しい経営をしている先はコロナショックで淘汰されてしまうのではないでしょうか。
その中に入らないためにも、知恵を絞ってお客様の心を掴む店作りができればと思っていますが、心意気があってもやり方を見つけ出せないのが辛いです。
ところで、和雑貨を扱う会社では来年の干支になる「丑」の飾り物が発表になりました。
いつも7月に発表されているものが、先手必勝とばかりに、ここの会社だけが一足早く動き出した感じです。
今の私にはお正月飾りに焦点を合わせるまでの心の準備ができていなくて見送ることにしましたが、コロナの影響もあって、どのような戦略で臨むかを決めてからでないと用意ができないと思っています。
そんなことを考えながらいた時のことです。
京都のお客様から「和装の店で店作りに役立つかもしれないショップを紹介したいのでお会いできないか・・・」とのメールが入って来ましてね~
大変お世話になっている方で、私の店のことをとても気にかけてくださっている女性のお客様です。
そのメールを見て、連絡を取って待ち合わせることに・・・。
お洋服姿は久しぶりのことで、挨拶もほどほどにして近くの店でティータイム。
お客様はこちらの美味しそうなメニューを頼まれたみたいで、テーブルに運ばれてきたものを見て写真を撮らせていただきました。
京都らしさがあって、横に娘がいたなら同じものを頼んでいたに違いありません。
そこで しばらく開いた時間を空気が抜けた風船を膨らますかのように埋めると、お客様の道案内でお目当てのショップまで歩いて四条通りから左に曲がった石畳みがひかれた細い路地の先にそのショップがありました。
お客様はその店の経営者とは親しくしているみたいで、古民家を活かしてアンティーク感溢れるショップを作り出していて、主に洋服の生地を活かして着物や帯を作って販売する店で、海外から寄せた珍しい小物を帯留にしたりして、個性的な装いを創ることができるオンリーワンの着物屋さんです。
扱うテーストが全く違うもので少し面喰いましたが、根強いファンがいるいるのではないかと想像できる店でした。
ある意味で刺激になりましたが、おじさんの感性では無理がある気がしました。
それにしても、貴重な時間を用意してくださったことに感謝申し上げたいです。
ありがとうございました。
そんなこんなで、京都の人たちは私に元気を与えてくれましたし、何か経営のヒントみたいなものを教えてくれたのではないかと思っています。
では、これにて・・・
お休みなさい。