8月最後の日曜日。残暑が厳しくて秋が近づいているとは思いにくい日中の陽射し。
2日後は月が替わり9月となることから、緩んだ気持ちを秋商戦に向けて緊張感を持たせたいと考えているのだが、来客は少ないし暑い日が続いていることもあり、秋商戦に挑む気分になれないから困っています。
そんな口説きがこぼれるのは10月の「神無月の会」にて、かねてから計画していた紅花紬を紹介したいと思っていて、その案内状作りに入らなくてはならないのに、そのかけらすら形にできずにいて、ようやく重い腰を上げたところです。
ここにコーディネートされた紬訪問着は紅花紬で、合わせた帯も紅花紬の袋帯になります。
着物愛好家であれば紅花紬の産地が何処であるかがご存じかと思いますが、山形県で作られているものです。
紬訪問着のピンク系色がまさに紅花染料の色で、紅花はキク科でアザミにも似た黄色がかった赤い花を咲かせます。
7月中旬が開花期で、紅花にはトゲがあるため、朝露でトゲが湿って柔らかい早朝に収穫されるそうです。
そこから紅花の植物染料になるかでの工程を簡単に説明させていただきます。
紅花を摘んで花弁を集めて足で踏み、発酵させたものを杵(きね)でついて団子状に丸めます。
そして花団子となったものに筵(むしろ)をかぶせて足で踏み、せんべい上の花餅を作り、乾燥させて保存するとのことです。
この画像は紅花紬の袋帯ですが、このような感じで紅花畑が山形県に広がっていると思っていただけたらと思います。
その様子を袋帯にした紅花紬ですが、山形県といえば米沢紬の産地で、その歴史を紐解けば、九代米沢藩主、上杉鷹山により養蚕、織物が奨励され、以後大きく発展し日本有数の染織産地となりました。
米沢紬は縞、格子柄が中心の草木染の紬で、その代表的なものに紅花紬があります。
江戸時代から名高い最上紅花は古くは染色にも使われてきましたが、紅花染は長らく途絶。それを老舗機業家の故・新田秀次氏が昭和40年頃に復活させて、広く知られるようになったなったとか・・・
10月の神無月の会ではその紅花紬にこだわる新田さんの紬を紅花だけでなく、他の植物染料と併用した色彩豊かな紬の着物や帯を紹介させていただきたいと考えています。
そこで紅花染がどんなものなのかを体験していただく機会になれば楽しい会になるのではないかと考えて、お客様に白いハンカチを紅花の染料を使って絞り染めをしていただこうかと考えていましてね~
絞り染めしたハンカチが下の方で、お客様に絞りと染をしていただこうかと考えているところです。
水洗いが必要とされるので、絞りをお客様にしていただいて、紅花染を当店がさせていただくことになるかもしれませんが、いずれにしても体験コーナーも準備して、楽しい紅花紬の会が開けないかを検討しているところです。
会期は10月23日(金)~26日(月)までの4日間を予定しています。
こうして文字にすることで頭の中が整理されて、神無月の会を何を軸にして案内状を作ったらいいかが見えてくるんですね~
白紙の状態から映像を撮り込み文字を添える。
厄介な仕事だけに早く着手しなければなりません。
しばらく目の上のたんこぶ状態のまま時間だけが過ぎるのかと思いますが、楽しい会にしたいと思っているので期待していてください。
いつも思うことですが、何かをしょうと思ったら経費も掛かりますが、それ以上にエネルギーが必要とされていて、自分との真剣勝負かと思っています。
しんどいけどチャレンジしてみます。
それではこれにて・・・
お休みなさい。