桜が花開く頃にお召しいただきたい黄色い付下げ・そしてコロナ禍で右往左往する店主

黄色い地色の付下げをコーディネート

店舗を持っていれば、お客様の集客を図り、商品やサービスを購買に結びつける販促というものは欠かせないものです。

どういう商品を販売したいのか、対象とするお客様はどのようなお客様で、どのようなやり方で店に呼び寄せることができるのか?

他に販促物を作るなどして工夫を凝らす訳ですが、なかなか成果を生み出すことができません。

 

コロナ感染を押さえられないコロナ禍とあって、着物を着る場が激減していることから、小学校に入学されるお母さんの入学式の装いにこだわった店作りに務めています。

しかし、企画力が足りないのかお客様からの相談が余り入ってきません。

 

この悩ましい現実と向き合いながら着物初心者に優しい店をどうしたら作れるのかを考えています。

着物初心者では判断が難しいタンスの中に眠る着物コーディネートのアドバイスや、シミ抜きや寸法直しなど、着物を着たいと思っていらっしゃるお母さんのお役に立つ仕事ができればと思っていますが、その思いを届けることができません。

 

そこで他の呉服店はどのような店作りをしているのかと、近くのショッピングセンターに入っているきもの専門店さんを覗いてみると、化繊の仕立て上がり着物を安売りしてたり、振袖をリーズナブルな価格で陳列していたりして、着物そのものに魅力を打ち出す売場構成でないことに、着物ファンの一人としてがっかりさせられるものがありました。

 

その店の会社の方針なのでとやかく言う立場ではありませんが、着物が安くても売れる時代ではなくなっているだけに、美しい着物は何処に行ってしまったのかと思わずにはいられませんでした。

ブティックは何処も3割引とか5割引のポップが大きく張り出されていて、割引をする店が連なっていることに驚きしかありませんでした。

コロナ禍が大きく影を落としているのでしょう。

 

そして思ったことは、コロナ禍だからこそ心が豊かにできる店が必要とされるのではないでしょうか?

随分昔のことですが、東日本大震災が起きたときに、震災に遭われた方から感激するメールが届いたことがあります。

震災でなにもかもが流されてしまい、娘の振袖を見立ててくれないかとのそうだんでした。

詳しく尋ねてみると、昔は地元の呉服店のウインドーを見て着物に憧れを持つことができました。

娘が成人新式を迎える頃になったら、「こんな晴れ着もいいな~」そんなことを思って地域の呉服店さんのウインドーを覗かせてもらっていましたが、今ではどこの呉服店もその面影が失われてしまって、リバーシブル振袖のセット商品ばかりで、娘に振袖を用意したいと思える店がなくなってしまいました。

その方は店のブログを見てくれていまして、私の店で振袖を用意したいと思ってくれたそうです。

 

その方とは東京での展示会にお越しいただいてお嬢様の振袖のお見立てをさせていただくことができましたが、私たちの仕事はお客様の夢を叶えてさしあげることに価値を生み出す仕事ではないでしょうか?

そのことを考えると、この仕事に誇りを持って着物の美しさ、洋服では適えられないお洒落を伝えていくことが私たちの役割かと思えるのです。

 

進む道に迷ったときに、経営コンサルタントの方は、おおむなこのようなアドバイスをくださいます。

成功事例を持ち出して、「時代に合ったやり方を取り入れていきなさい」と・・・

 

間違っていないと思いますが、美を追求する仕事だけに、その要を置き去りにしてしまっていては着物愛好家を満たすことはできないのではないでしょうか?

 

今はコロナ禍で右往左往してしまいますが、販促を組みにしても信じていることに蓋をして事を起こすと、お客様をガッカリさせてしまうことがあります。

悩んで苦しんで、それでも自分を信じることの大切さをもう一人の自分に問いかけたいものです。

その意味でも今は我慢のときかもしれませんね。

 

 

 

黄色い地色の付下げをコーディネート
黄色い地色の付下げをコーディネート

 

こちらのコーディネートは、20代から30代のフォーマル着のこーでぃねーとになります。

フォーマル着といえば、結婚式の披露宴の場であったり、入学式や七五三などの厳かなシーンにお召しになる着物で、品の良さと華やかさを身にまとうハレの日の着物です。

着物地の色は黄色系で模様は四季を問わない更紗柄を描いています。

 

合わせている帯は着物柄と同化しない幾何学模様のゴール系の袋帯で、格を高めて装いになっているかと思います。

正統派の着こなしと言えるものです。

桜が花が開く頃にお召しいただいたら綺麗でしょうね~

 

長い記事になりましたが、最後までお付き合いいただけたとしたら感謝です。

 

ではこれにて・・・
お休みなさい。

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