新しい戦略に丹後木綿を生かしたい・そして淡い紅色の丹後木綿を塩瀬帯で合わせる

丹後木綿を塩瀬帯でコーディネート

数十年に渡り浴衣需要の最前線で仕事をしてまいりまして、2011年の東日本大震災が起きる前まで浴衣需要は右肩上がりだったように思っていて、震災後、少しずつ陰りが見え始めてきた感じがします。

 

そして今回のコロナ禍で過去に経験したことのない浴衣需要の落ち込みに苦しんでいますが、浴衣需要に勢いがあった時代、若い年代層が浴衣で楽しむことを知っているのに、夏が終わると、きものから離れてしまうのは何故なんだろう。

 

そんな思いを持ち続けていたときがあり、浴衣に替る天然素材の着物が市場にないから振り向いてもらえないのかもしれない。

そのような考えに辿り着いた私は、浴衣に替る商材としてウールのきものを取り上げたことがありました。

 

当時はウールを作っているメーカーさんが少なくて、限られたウール反物を仕入れて店内で展開しましたが、私の独りよがりで終わってしまった感がありました。

 

そのような取り組みを始めていたときに、きもの雑誌「七緒」が書店に並んでいたようになったのではないかと記憶しています。

 

当時のことを振り返ると、着物業界は高級路線を走っていて「七緒」に対してさほど興味を持つことがありませんでしたが、時代の流れを上手く受け止めた雑誌七緒は、アンティークの着物や木綿やウールを着こなす愛好家を掘り起こしていったのではないかと想像します。

 

その動きは都心や人口の多い地域のことかと思っていましたが、数年前からこの地域のお客様からも木綿の着物が見たいという声を聞くようになり、そして出会うことになったのが丹後木綿でした。

 

少し話しは替りますが、呉服店さんは新規のお客様を増やすことに大変苦労していまして、このハードルを越えていくことができた店は、自店の魅力作りが新規客の心に届いたことになるのでしょう。

 

その切り口は様々かと思いますが、これまでこの店と交わることがなかった新規のお客様を木綿の着物で接点を持つことができないかと考えています。

 

 

そこで今日は秋になったら着てみたい装いを丹後木綿を使ってコーディネートしてみました。

 

 

 

丹後木綿を塩瀬帯でコーディネート
丹後木綿を塩瀬帯でコーディネート

 

その画像がこちらです。

淡い紅色の丹後木綿に塩瀬帯を合せてお洒落してみました。

 

着物が脇役となり、帯で楽しんでいただけるのが丹後木綿の生かし方かと思っております。

ここに半幅帯を向かわせて、よりカジュアル感を出してもいいと思っていますが、それ以上に楽しめるワンちゃんの帯があったので、その帯でコーディネートしてみました。

 

可愛い着こなしだと思いませんか?

 

 

江戸小紋の万筋のような「丹後木綿」
江戸小紋の万筋のような「丹後木綿」

 

この丹後木綿は江戸小紋の万筋(細かな縞)の表情を見せていて、遠くからは無地に見えて近づくと縞柄であることが分かる着物です。

 

その魅力を木綿地で表しているところが魅力的です。

縞の色や大きさによって紬に見えたり江戸小紋に見えたり、その種類はいろいろあって帯が合わせやすいのではないでしょうか?

 

参考にされてみてください。

ではこれにて・・・
お休みなさい。

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