お盆休みを終えると、私の気持ちの中では今日から後半戦が動き始めたことになります。
気持ちの切り替えができた訳ではありませんが、まず先に夏物の売り場構成から秋物のシフトへと替えていかなければなりません。
そこで今日から夏物を少しずつ片づけることに・・・
振り返れば5月のゴールデンウイークより夏商戦をスタートさせた訳ですが、今年もコロナ禍が大きな障害となり、浴衣にこだわりを持つ店としては右往左往する日々が続きました。
昨年の苦い経験を味わっただけに、コロナ禍でも対応できる販売戦略を探してスタートさせましたが、ほどなく感染防止策として、お祭りや花火大会の中止が各メディアから伝えられると、浴衣熱が一気に冷めてしまって、5月下旬頃から7月中旬までのかきいれどきが振るわず、頭をよぎるのは昨年の悪夢との戦いでした。
ところが決算前の「涙市」の企画が始まると、風向きが一気に変わり夏物が大ブレイク。
特に浴衣を見に来られる方が多くいらっしゃって驚きがありました。
何が消費者の背中を押したかまったく分かりませんが、私なりの解釈をさせていただくとしたら、コロナ禍であってもコロナ禍前のモチベーションを持ち続け、浴衣の魅力をSNSなどで情報発信を怠らずに伝えきれたことが消費者を動かしたのではないかと思っています。
勝手な解釈かもしれないが、諦めなかったことが結果に結びついたのではないかと考えています。
とはいっても、コロナ禍前の結果を残したとは言いにくいところがあり、一矢報いた最終戦だったかもしれません。
長引くコロナ禍は業界に及ぼしている影響は計り知れないものがあり、商いへの信念を揺るがすものがあります。
個店の体力を奪い進む道さえもさえぎり、次の一手を見つけ出さないままに秋商戦に雪崩れ込もうとしています。
その中で明暗を明暗を分けるのは、できないことを一つ一つ拾うのではなくて、今の状況下の中で何ができるのかを一心に考え、熱い想いをどこまで持てるのか。この一点に絞られている気がします。
誰もが秋商戦と向かう中で現実の厳しさを突きつけられることでしょう。
そこには覚悟も必要で、ろうそくの灯しを手にして彷徨うことがあったとしても、情熱を失うことがあったはならないと思っています。
長引くコロナ禍は多くの人に与えられた試練で、自分一人だけに与えられた試練でないことを自覚しなければならないのでしょう。
秋の店作りをしていく中で、そのことを自分に言い聞かせたいです。
浴衣を片づけている最中にこちらの紺地浴衣が目に入りました。
汗がしたたるお盆だったとしたら、月にススキとトンボ柄は秋の風を呼び込んでいて、日本ならではの風情を味わえる浴衣かと思えます。
網戸越しに蚊取り線香の香りに包めれて、見上げた夜空に浮か月を眺めて鈴虫の声が聞こえてきたなら、終わりゆく夏を愛おしく思えることでしょう。
そんな捉え方ができたなら今が旬の浴衣柄と言えるのかもしれませんね。
今年はそのような風情に触れることができなかったかもしれませんが、次の夏を待ち遠しく思いたいですね。
それではこれにて・・・
お休みなさい。