着物に対する価値観の変化からきもの離れが加速していて、そこに新型コロナ感染症という厄介な病気が世界に広がり、着物業界はこれまでに経験したことのない打撃を受けることとなりました。
コロナ禍で止められた経済活動は物事の仕組みを根底から変えるところがあり、もがき苦しみながらの経営は今も続いているのではないでしょうか。
経営に関わる者として、この現実を真摯に受け止めなくてはなりませんが、単に受け止めるだけでは何一つ問題を解決には繋がりません。
考えるべきことは、これまでのやり方にしがみつくのでではなく、「常識とされていたことを変えなさい!」というシグナルが送られていると思わなければならないのでしょう。
長引くコロナ禍の間に、「変える」ということに対してなんとなく感じるとことがあって、SNSの活用の仕方や、オリジナル商品を世に送り出し、他店との差別化を図りながら店の価値を高めることに情熱を傾けてみてはどうだろう~
そのようなことを考えるようになり、手探りでオリジナルの着物や帯を作ってみたり、クラウドファンディングで加賀染め足袋を作ったりしているうちに、新しい商品を作ることへの魅力を感じ始めたんですね~
ほんの少し踏み出しただけなのに、それはこれまでの商売に対する固定観念を大きく変えるものになっていて、こんな小さな店でもまだまだできることが沢山あることに気づかせてもらった機会でもありました。
それは目に見えた経営の改善に繋がっているものではありません。
しかし、怖がっていたことを取払うきっかけとなったことは確かで、コロナ禍の中で元気な力を生み出す機会ににもなりました。
そして今も新しい商品作りに試行錯誤していて、新しい道を探っている最中でもあります。
少人数で切り盛りしている店だけに大きなことはできませんが、一つだけ言えることがあるとしたら、踏み出す勇気は自分を変えるものがあるということです。
長引くコロナ禍で誰もが口にすることは、新しいことにチャレンジして経営の在り方を変えることだと・・・
私もその考え方に共感できるころがありますが、肝心なことは「何をしたのか」では無くて、「自分の心をどう変えることができたのか」です。
そんな目で社会の営みを視ていると、いい訳をする人とそうだ無い人の弱者と強者の違いがなんとなく分かるようになります。
まだまだ私は若輩者で、この厳しい社会の荒波に呑み込められてしまうかもしれないが、それでも誇りを持ってこの仕事と向き合って行けたらと思っています。
前文が長くなってしまいましたが、今日は男の子の五歳の七五三の加賀友禅アンサンブルを紹介してみます。
男の七五三は三歳と五歳になりますが、五歳の子が着る着物を私たちは四つ身の着物と呼んでいます。
その着物が画像にある着物と羽織を組み合わせたアンサンブルです。
男の子は一般的に黒地が主流ですが、近年は紺地であったり金茶色であったり変わり色もおしゃれなお母さんには人気で、こちらは加賀友禅作家が描いたこだわりの加賀友禅になります。
手描き友禅になることからコストを抑える意味で、着物は紺地の無地で家紋が五つ入るだけのものです。
五歳の七五三には羽織を合わせるので、その背中と袖にしっかり模様は書かれています。
描かれている模様は松に鷹の柄で、お目出度い「松」の模様と男らしい「鷹」を組み合わせた紋付きとなります。
羽織にも五つ紋が入るので、着物と羽織で10個の家紋が入れられることになります。
紺地の男の子の紋付きも素敵だと思いませんか?
男の子の七五三に着物は、いろんな種類はあるようで無いのが男の子の着物で、三歳で七五三をされる方は、お子さんの誕生の際に宮参りに使った一つ身の着物に袴の組み合わせになります、
一つ身に合う単品の羽織がほとんど作られていたな為に、羽織が無い着こなってしまうんですね~
袴も三歳用の袴が少ないと思われるので、五歳用の袴を縫い上げをしてお使いください。
そのような不便さもあって、数年前から男の子も被布コートが世の中に出てきたので、三歳の女の子と同様の着こなしとなる一つ身の着物と被布コートの組み合わせで、男の三歳の七五三をされる方もいるようです。
男の子の七五三の装いは気難しいところがあるので、近くの信頼できる呉服店で相談されると的確なアドバイすがいただけるかと思います。
そして忘れてはならないのが、こちらの袴セットです。
セットは袴だけで無く、雪駄や帯、羽織紐やお守りなども組み合わせているので、セットで準備されてみてください。
その場合、雪駄の大きさを確認しておくと安心かと思います。
とにかく、初めて臨む七五三は何もかもが初めてとあって、分からないことが多くあるかと思います。
繰り返しますが、そんなときは勇気を持って呉服店で相談されてみてください。
ついでの縫い上げもお願いしてもいいかも・・・。
では今日はこれにて・・・
お休みなさい。