「暑くて商売にならない!」とぼやいていた仕入先の方がいましたが、涼しければ商売が出来るのでしょうか?
顔を合せたときの業界間の挨拶の言葉として使われたりもしますが、なんでも気候や政治のせいにしていては、自分で売れない理由を作って自分を洗脳していることになります。
同業者として口説きたい気持ちは分かるが、その後が肝心で、これからどうしたいのかを一生懸命に考えるのが仕事なのではないでしょうか。
そのようなことを自分に言い聞かせながらも、この秋をどうしたいのかを必死になって考えています。
しかし。考えても方向性を見つけ出せない事の一つに、取引のある仕入先から秋の新商品情報が出るという話は何処からも届いていなくて、厳しい現状から積極的に動き出せなくなっているのではないでしょうか。
仕入先の動きはここしばらく。秋商戦から少しずれ込んだ10月に発表となる場合が多く、小売店としては秋のビジネスチャンスを逃している気がしてなりません。
一昔前だったら新商品を作るということは量産するということで、仕入れた商品は即納となり、すぐに店頭に出すことが出来ましたが、近年は受注生産でロスを少なくする先が増えてして、注文をして、一月後とか二月後の納品というのが普通になっているんですね~
そのことに加えて消費者の買い物が、年々ネットショップを利用される方が増えていて、ようやく届いた新商品をオンラインショップに載せようと思うと、ここにも時間が必用で、もたもたしていると、旬の商品が旬の商品でなくなってしまうんですね~
なので店は秋の立ち上がりに苦労します。
特に半年の一度、新商品の発表の場となる10月の「神無月の会」に提案させていただきたい商品を9月の上旬頃までに情報を集めなくてはなりません。
仕入れ係としては責任の重いミッションで、きものと和雑貨(和のインテリア)の両輪から取り上げる商品を定めて行きたいと考えているところです。
前置きがとても長くなりましたが、その神無月の会で紹介させていただきたい商品が幾つかありまして、取り上げることが決った商品を記事にしたのでご覧ください。
【岡田その子氏の型絵染の帯/クローバー】
その一つがこの画像に写るクローバー帯を制作された染織作家・岡田その子さんの型絵染の帯で、新作を交えて特集させていただきます。
その作家さんは今年57歳となる方で、新しい感性を模様や色合から独特の作品を作っていらっしゃって、ポップな感覚とモダンさを融合させた染帯です。
ここではグリーン地の浅井さんの草木染め紬と組み合わせましたが、これがとっても味わいがあってお洒落なコーディネートかと思っています。
今年のゆかたパーティーで岡田ぞの子さんの帯できものコーディネートコンテストをしたところ、この組み合わせが「ナンバー1」だったんですね~
現在岡田氏は新柄の帯を制作中で、10月の初めに発表の予定だと聞いていますが、店では10月20日(金)から店内でご覧いただけるかと考えています。
そしてもう一つ、タイプがまったく違う西陣織の「織楽浅野さんの帯」も特集できればと考えてまして、仕入先と話を詰めているところです。
【織楽浅野の帯できものコーディネート】
岡田さんと同じ帯でも岡田さんは染めの帯で、織楽浅野さんは西陣織の帯になります。
先日発売になった美しいキモノ秋号に織楽浅野の帯が沢山登場していますが、モダンさと大人の香りを見事に表現していまして、とても魅力的な帯かと思っています。
ここでは小紋柄と合せてますがモダンさがあると思いません。
私の好きな機屋さんで、10月20日からの神無月展にて紹介させていただくつもりでいます。
こうして取り上げたいと思っている商品を一つ一つセレクトして行くわけですが、半年の一度の会とあって、その力の入り方は半端ではありません。
“商品の魅力をどのようにして伝える事が出来るのか”
“案内状をどのようにして仕上げればいいのか”
“県外からもお客様を集めたい!”
いろいろ考えることがあって、これからしばらく神無月の会をプロディーズすることに忙しくなるかと思いますが、「お洒落な生活」がお伝えできるよう頑張ってみたいと思っています。
それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。