毎月月初めは京都出張から始りますが、三日後に店が主催する「ゆかたでお食事会」が控えていることから、その打ち合わせや準備などもあって今月は出張を見送ることとしました。
昨日もブログ記事で触れましたが、きもの離れが進む中でお客様自らが着物に袖を通して愉しむということが少なくなっています。
そればかりか。冠婚葬祭の場でも着物を着ようとしない方が増えていまして、この状態が長く続けば、数十年後には地域の家族経営の呉服店さんを必用としない時代が来るかもしれません。
その意味で、単に着物を販売するだけの店であっては、着物ファンを繋ぎ止めておくことは難しくなっていて、着物を着て楽しめる場を作っていかないと、お洒落の仕方や着物を着る目的に合った着こなしを学ぶこともなく、これまでと同じ“タンスの肥やし”となる予備軍を増やして行くだけのことになってしまいます。
私たち呉服店は過去の経験から多くのことを学んできました。
お客様の娘さんが結婚が決ったことを知り、着物を嫁入る道具のようにして作っていただいた良き時代は終りました。
着物や帯の価値がいずれ上がるかと言って、その価値の高さを売り込んで販売する方法も通用しなくなりました。
高価な商品を大幅に値引きをしてお得感をアピールした販売方法も疑問視する時代となっています。
近年はタンスに眠る着物や帯を自らがネットで販売したり、リサイクルショップに売りに行く時代となっていて、着物に対する価値観が昔とは大きく変ってしまったことにき気づかされています。
きもの業界が低迷していることについては様々なお考えがあるかと思いますが、これまで私たちは着物を買ってもらうことに一生懸命になっていて、きもの業界のあるべき姿を見失っていたことが、今に至っていると言っても過言ではありません。
シンプルに着物を着て楽しめる環境を作っていくことは、お洒落な着こなしを学ぶ機会でもあり、多くの人の目線に喜びを感じ取れる空気を味わい、着物を着る事への面白みを体験することが出来る場とのなるものです。
このことが着物ファンになり得る機会となったとしたら、呉服店の大きな財産となるものです。
そしてその一つ一つが着物の振興に繋がるものだと固く信じています。
小さな店でこのような着物を着る場を作ることは決して楽な事ではありませんが、諦めないで続けて行くことで、自分では気がつかない新しい道を切り開くことにもなるので、お客様と共に楽しみたいと思っています。
【「ゆかたでお食事会」のプログラムが完成する】
その「ゆかたでお食事会」のプログラムが娘の手によって作られました。
タイトルに“ゆかた”と持ってきたのは、参加することへのハードルを低くしたいと考えるところがありまして、夏着物の参加でもかまいません。
店としてはお客様とコミュニケーションを深める機会になれなと思うところがありまして、着物初心者大歓迎のお食事会です。
今回もお食事前にミニ・コンサートを用意していまして、「中国琵琶」をお二人の方に演奏してしていただきます。
その後に懐石料理に舌鼓しながらお客様同士の懇親を深めていただけたらと考えていますが、お楽しみ企画として、私たちのトークで会を盛り上げることが出来ればと思っています。
参加者は本日お一人増えまして総勢25名で夏の一夜を楽しませていただきます。
今回は県外からの参加者が3人おりまして、北から仙台市・福井県福井市・名古屋市からお越しに頂くこととができました。
主催者としてはとても嬉しく思っていますが、正直なところプレッシャーを感じながらいる私です。
それでは、今日はこれにて・・・
お休みなさい。