10月になったので、今日の京都出張はスーツ姿にネクタイを締めて向ったものの、残暑が厳しくて、汗が流れて、喉は乾くしチョト大変でした。
といいながらも仕入先をいつものように歩いて廻っていましたが、京都入りしているきもの関係者が少ない感じがしました。
仕入先の話では9月の暑さが消費を鈍らせている感じがすると云っていましたが、問題は別なところにあるように思っています、
その話と繋がるかもしれませんが、和造小物を専門の取り扱っている仕入先にお邪魔していたときのことです。
担当者にバッグヤード的な部屋に連れて行かれて、今年手配した「ゴマアザラシ防寒草履」が入荷したばかりで、今年はこれだけしか用意が出来なかったと、目の前にある草履を指さし見せてくれました。
今日の午後にゴマアザラシの鼻緒ですげ上げるので、今だったら好きな毛並の品を選べるので、仕入れを検討してもらえないかとの誘い。
お値段を聞くと年々値上がりしていて、今年は昨年よりも2割近く高くなっているとのことです。
実は10年以上前からこのあざらしの防寒草履を取り扱っていて、昨年は発表が遅く、しかも、驚く値段なっていたので昨年は仕入れを見送りましたが。
しかし今年の11月には東京で展示会を考えていて、ゴマアザラシの防寒草履が欲しい思っていた時だったので、取りあえず一足注文をすると、今年は目の前にある商品で終りとなので、草履の横巻きが合皮のタイプと、オールゴマアザラシの二足くらいいるんじゃないかな~
【新しくゴマアザラシ防寒草履を用意しました】
彼の言葉に説得力があり、店の在庫もなかったので画像に写るゴマアザラシの防寒草履を分けていただくこととしました。
鼻緒がすげ上がってきたら当店の販売価格をお伝えさせていただきますが、草履の横巻きがゴマちゃんになったオールゴマアザラシは10万円を超える物になりました。
この販売価格を聞いたら呉服店さんはどのように考えるのでしょう。
おそらく多くの呉服店は「これだけ高くなったら、誰も買ってくれないと思うから仕入れはできない」と考えるのではないでしょうか。
その一方で、なかなか手にできないゴマアザラシの防寒草履が、ほんの僅かしか供給出来ないということは、どこで取り扱っているのかを捜す人が必ず現われる。
そのような考え方が持てたなら、販売方法にも知恵が湧いてきますし、積極的な店作りがにも繋がるのではないでしょうか。
冒頭の話に戻りますが、着物業界の反省は、多くの場合が“言い訳”でしかなくて、積極的な取り組みが出来たかどうかが問われているのでしょう。
上手く言葉に出来ませんでしたが、「この日本にはクオリティの高い商品を捜している方が必ずいらっしゃる。」と考えるか「きもの離れが加速する中で、履き物でこれだけ高価な商品を買う人がいるのだろうか」と考えるかで、経営の在り方がガラッと替わります。
どっちが正解なのか、月日が過ぎないと分からないことかもしれないが、一つだけハッキリしていることは、品揃えをするとワクワクするということです。
高価な品を二つも仕入れたので、頑張らなくてはなりません。
他にも書きたいことがありましたが、時間が来てしまったので、今日はここで終りと致します。
ではこれにて・・・
お休みなさい。