「江戸の粋」の開催に向けて、当店のオリジナル品が作れないかと竺仙さん担当者に相談すると、8月の始めに店の具体的な話ができればと店に来てくれましてね~
おぼろげな状態で動き出した企画ですが、新しい商品を作るとなれば、お盆前に”染め出し”の準備に入らないと10月の展示会に間に合わないとのことでした。
NNHKの大河ドラマ 「べらぼう」に刺激されるところもありまして、相談して導き出した答えが、江戸時代末期に庶民にに広がった江戸小紋と江戸時代を印象付ける模様の帯を作って当時の「江戸の粋」というものを再現出来ないだろうか?
それも地元石川県白山市で織られている牛首紬で染めてみるというのどうだろ・・・
勝手な解釈となるのかもしれないが、牛首紬の白生地を竺仙さんに持ち込んで着物と帯を作ってみることとしました。
新しい商品を作るというのは、お客様にアピールできるビジネスチャンスでもありますが、会を取り組む側の姿勢として自らの心意気がないと会に力が入らない。
リスクは伴うが、そのリスクを力に替えてチャレンジすることに商売の醍醐味がある。
そんな想いから江戸小紋を一点、染帯を2点染め出すこととしました。
そして今日、染め出した商品が竺仙さんから届いたのです。
オリジナル商品を作るといって、勢いに乗って染め出したもの心配でなりませんでした。
荷物を明けて確認すると、これまでとまったく違った模様を染め出していたことを確認しました。
【牛首紬で染めた帯に付いていた札】

染上がってきた帯の端にこのような札が付いていました。
「型絵染 番傘の柄」
【牛首紬で染めた帯に付いていた札】

その札の裏には「竺仙 白山ふくしま様」
私が頼んだ模様ですが”この色だったっけ”みたいな印象がありました。
私の解説を入れる前に、染上がった江戸小紋と型絵染の帯をコーディネートしてみたのでご覧ください。
【牛首紬で染めた江戸小紋と型絵染の帯で江戸の粋を演出】

江戸小紋は紫地で番傘の帯で組み合わせてみました。
江戸時代の”いなせな着こなし”というものがあるように思いますが、皆さんはどのような感想をお持ちになったでしょうか?
【牛首紬を竺仙に持ち込んで染めていただいた型絵染の帯「番傘の柄】

店から送った牛首紬の生地を使って染めているので、帯地に張りあり、牛首紬の生地に現れる糸の節もしっかり見えなす。
【型絵染の帯「番傘」六通柄】

この帯が垂がブルーで本体は紺と緑の雨傘が目に付きますが、全体を雨傘で埋め尽くされていて、お太鼓から腹まで模様が続いて描かれている”六通柄”の型絵染の帯になります。
【牛首紬で染めた江戸小紋「竹縞に雨入り」の模様】

江戸小紋は「竹縞に雨入り」という模様で、番傘模様の帯を合わせることで、「雨と傘」の繋がりから小粋な着こなしが見えてくると思いませんか?
ここに江戸の粋が隠されているのではないでしょうか?
【竹縞に雨入り柄の江戸小紋を浅野栄一さんに染めていただく】

染を以前当店の展示会で力を貸してくださった染職人・浅野栄一さんに染めていただきました。
浅野さんは80歳になったら引退すると言っていたので、後1.2年は染めていただけうですが、後継者が育っていないので、人間国宝の児玉博さんの型紙を使いこなせる染師がいなくなるかもしれません。
その意味でも価値のある江戸小紋かと思っています。
今月の17日より3日間、こちらの商品の解説を私と竺仙担当とでさせていただきますので、お時間が取れる方は是非「江戸の粋」を見に来てください。
今日もまとまりのない記事になってしまいました。
辻褄の合わない文や誤字も多くあるかと思いますが、改めて読み返すエネルギーが残っていなくて、ここで記事を閉じることとします。
それではこれにて・・・
お休みなさい。