私がこの業界に身を置いた時代はパソコンもスマホもない時代で、チラシなどの紙媒体を使って地域密着型の店作りに知恵を絞ったものです。
その時代は娘さん婚礼支度で着物を準備される先が多く、その需要から地域に呉服店さんの経営が成り立っていましたが、生活様式の変化やバブル経済の崩壊からきもの離れが加速し始めて、呉服店が次から次へと姿を消していきました。
私に記憶が確かなら、バブル経済の崩壊は1991年に株価や地価が下落し始めたことから始ったと思いますが、その当時の呉服店の件数が100件あったとしたら、今では10件に満たない件数になっているのではないでしょうか?
呉服店が減少するということは、きもの難民が増えることと直結するので、店作りの在り方を変えていかなくてはなりません。
特に地方の呉服店さんは、販路を広げる店作りを考えて行かないと着物だけでは経営が成り立たず、業態を替えている行くか、きもの難民との繋がりを増やすことを考えた店作りをしていかないと経営が成り立たない時代になっているといっても過言ではありません。
私はこの業界に身を置いて50年近く経ちます。
近隣の呉服店さんに9年間と務めてから「きものふくしま」を創業し、最初は無店舗から始めましたが、店舗がないことに限界を感じて、新店舗を持つこととなったのが今から30年前のことです。
バブル経済崩壊後に現在の店を手にした訳ですが、地元育ちでないこともあって苦労絶えませんでしたが、どこかで店作りの在り方を変えないと思うところがありまして、20年前にブログを始めたことが大きな転換期となり、店作りの在り方を大きく変えるものになったのです。
ブログを始めたことで年々新規のお客様が増えはじめて、県外からのお取引も増えて、全国から着物相談いただくまでになりました。
しかし、時代の変化は激しくて、その流れについていくことが大変で、新しい取り組みがないと生き残れない時代になっています。
その取り組みの一つが東京での展示会で、新しい店作りの形と云えるかもしれません。
販路を広げる意味でのチャレンジとなるもので、今年11月の開催は4回目となります。
その準備で心の中が忙しくなっていますが、目が覚めると不安な気持に襲われていて、その気持を掻き消す意味で、何を準備したらいいかを考える日々になっています。
このブログをご覧になっている東京近郊の方で、着物に興味をお持ちでしたら展示会場を覗いて見てください。
開催日は11月14日(金)・15日(日)の二日間です。
ホームページに詳しい情報を載せているので宜しければご覧になってみてください。
前文が長くなってしまいましたが、今年の春先にお雛さんの帯の相談をいただくことがありましたが、ご要望に沿う商品を準備することができませんでした。
あることからお雛さんの帯との出会いがありましたもので、季節の先取りとなりますがここに紹介させていただきます。
【紋織りの無地をおひな様の帯でコーディネート】

そのお雛さなの帯でコーディネートさせていただいた画像になります。
紋織りの無地を白地の立ち雛模様の帯で組み合わせてみました。
【白地のおひな様の染帯】

手描き友禅の白地ですが、地色をピンクやヒワ色などで新たに染めることもできます。
おひな様の模様を際立たせる意味でも無地感の着物に合わせると綺麗な装いになるのではないでしょうか。
【腹の模様】

腹の模様は貝合せと桃の花になるのかな~
【七宝柄の利久バッグに源氏香に刺繍鼻緒】

着物と帯のコーディネート似合わせたのが、七宝柄の利久バッグと源氏香の刺繍鼻緒ですげたエナメル草履です。
季節の先取るとはいえ随分先のことでピンとこないかもしれないが、お雛さんの帯が余り作られていないのもので、ここに紹介させていただきました。
簡単な解説で申し訳ありませんが参考にされてください。
それではこれにて・・・
お休みなさい。






