郊外の実店舗を構える店としていつも思うことは、お客様の来店を待つだけの店であってはならないと考えていて、時代や日本経済がどんなに変化しようとも、絶えずこの店から情報を出して行くことが必要ではないかと思っています。
地域に呉服店が多く存在していたときは、各店舗が売り出しをする前は地域にチラシを配布されたり、DMを顧客に送ったりして着物に関連した情報が四六時中飛び交っていました。
その情報が地域に暮らす人たちに刺激を与えていて、着物に感心を持っていただくことができましたが、周りに競合店がいなくなって、朝が着たら店舗を開けるだけの店だったとしたら、存在感が薄れてしまって、誰も振り向いてくれない時代となっている気がしてなりません。
だから地域の暮らしの中にどうしたら着物が入り込んでいけるのかを常に考えて、鮮度のある情報を出して行かなくてはならないのです。
ここに”先を読む力”が必用とさるのです。
雪が降り始めたら客足は遠のく。
売上が立たない事態に陥るかもしれない。
だとしたらどの部分を動かしたら着物ファンの関心を集まられるのか。
考えろ、考えろ。
ここに店作りの原点があり、自らがシェフになってメニューを考え出さなくてはならないのです。
ここに言葉に出来ないプレッシーがありまして、焦点を絞り込んで纏めことに凄く時間を要するんですね~
その一つの形が種蒔きという情報発信の在り方となるもので、一つのプレゼンが終れば、休むことなく次の店作りの在り方を考え始める。
この繰り返しが新しいお客様を生んでいくのではないでしょうか。
そして店に価値を高めていくことにも繋がるものだと私は信じています。
きもの離れが進む中での土俵際の踏ん張りと云えるもので、残された呉服店の役割となっている気が致します。
今日も県外のお客様とお電話で話をさせていただきましたが、以前に求めていただいた着物をお召になられたとのことで、新調した着物の話題で盛り上がってとても素敵な一日だったことを伺って、とても元気をいただくことができました。
この仕事をしていて究極の喜びがここにありまして心より感謝申し上げる次第です。
このようなご縁が生まれたのも欠かさず店の情報を出しているから結びついたご縁なのかもしれません。
本当に有難く思っています。
さて、ここからは話題を替えて、目の前に新しい年が待ち構えていて、新年を迎えるに当りさりげなく着こなしていただける新年の装いをコーディネートしてみたのでご覧ください。
【新年を迎える装い】

そのコーディネートがこちらになります。
白茶色の飛び柄小紋にお正月の喜びの声を帯で表現しているかのような「松」と「鶴」をあしらった刺繍帯で組み合わせた『新年を迎える装い』です。
色合いの明るくて喜びの声が聞こえてくる着こなしだと思いませんか?
【松に鶴笹の刺繍帯】

合せた帯は黄色地の松の鶴笹模様の刺繍帯で、西陣織の帯にはない優しさと格調を兼ね備えた帯だと私は思っています。
年代幅も広くて、新年の時期だけでなく、お目出度い日の装いに締めていただける刺繍帯といえるでしょう。
【帯締と帯揚げで装いを整える】

最後の帯締めと帯揚げでコーディネートを整えさせていただきました。
お正月ともなれば、力のある帯締がふさわしいかと思って平織りでほんの少し幅広のもので合せてみました。
こちらの装いでお友達とのお食事会の装いとしてお正月をイメージさせてみてはいかがでしょう。
それでは、今日はこれにて・・・
お休みなさい。

はじめまして。きものふくしま店主福島正弘です。
石川県、金沢市のお隣の白山連峰が見えるところで着物と和雑貨を販売しております。
着物和装に携わって約40年。県内外問わず、全国の着物ファンの方々から様々な相談を受けております。






