残暑の厳しい日が続いていることもあるのか、お客様の着物への肝心度が盛り上がってこないことをとても心配しております。
コロナ禍が長引いていることや、呉服店さんが集客力を失っていることが考えられますが、なによりも時代の変化に我々が対応仕切れていないことがお客様を遠ざけているのではないでしょうか?
これまで業界の稼ぎ頭とされていたフォーマル着がコロナ禍で影を潜めていて、着物でお洒落をしたい人が好みに合った着物や帯を求める時代になっています。
言葉を換えるなら、きものファンのニーズがフォーマル着からカジュアル着へと変化していて、そのご要望に応えきれていないのではないでしょうか?
身勝手な考え方かもしれないが、ここにフォーマル着と街着の着こなし方の違った着物を紹介させていただきます。
こちらは石川県で染められている加賀友禅訪問着をコーディネートしたものです。
用途は入学式や結婚式の披露宴であったり、様々な式典にお召になれる晴れの日に着る着物です。
格調高く、華やかさもあって誰もが憧れる着物かと思いますが、こちらの訪問着を着たいと思っても着る場がないとお召になることはできません。
それでもお祝い事は何処の家庭にも訪れるかと思えるので、一枚は必要かと考えています。
しかし、二枚目を購入したいと考える人は少ないのでしょう。
一方でこちらは来月当店の神無月の会で取り上げる江戸小紋を街着の装いとしてコーディネートしたものです。
遠くから見ると色無地に見えて、近づくと細かな模様が入っているのが江戸小紋の特徴で、帯の合わせ方でフォーマル着にもなれば、カジュアル着にもなるという不思議な着物です。
ここでは街着の装いとして楽器柄の刺繍帯で外出着となる装いをコーディネートさせていただきましたが、このような組み合わせであれば、いつでもお召になることができますし。帯を替えて他の用途にも対応できるのが江戸小紋です。
文化の秋を意識して、緑が色付く季節にお友達と音楽を楽しむという場を想定した着こなしを作ってみました。
そのような場に、来年の干支となる卯年の足袋でお洒落してみるもの面白いと思いません。
ここまでの解説に無理があったように思えますが。着物を楽しむのであれな、格調高い訪問着よりも江戸小紋ではないでしょうか?
何でも江戸小紋に結びつけてしまいますが、来月10月14日(金)から17日(土)までの4日間、竺仙さんと共に江戸小紋を特集させていただきます。
私が伝えたかったことは、着物はタンスに眠らすのではなくて、着物を着てみたし人のために着物があり、それをどのようにして楽しむのかが問われる時代になっています。
そのニーズにお応えできる店がきものファンを集めることができるのでしょう。
だから店の個性をハッキルさせていくことが重要で、きものファンに選ばれる店でないと生き残っていけない時代になっています。
どうか私の言いたいことをくみ取っていただいて、今日に記事とさせていただきます。
求まらない解説で申し訳ありませんでした。
ではお休みなさい。