長引くコロナ禍で商品が作られていない現実を目の当たりにしました。
地元の問屋さんで「ゆかたサミット」と称して新作ゆかたが発表になるとのことで、娘を連れて会場に足を向けると、例年の半分くらい売場面となっていて、古典柄ゆかたはそれなりに充実しているものの、販売価格が2・3割近く値上がりしていて、そのことに驚きがありましたが、それ以上に、いつもなら溢れんばかりに陳列されていたポップな色合のゆかたがまったく見当たりません。
これが2023年の和装業界の現状であることを一目で見分けることができましたが、それにしてもひどすぎます。
娘とは子どもゆかたの品揃え充実させたい話をしていたのですが、その子どもゆかたも姿を消していて、地域に根ざす店を目指したいと考える店側としては、何か手を打たなくてはなりません。
ゆかた市場は長引くコロナ禍と材料の高騰などで、商品が作りにくい状況であることを聞いてはいたものの、ここまでひどいとは思っていなくてガッカリさせられました。
おそらく今年のゆかた市場はコロナ禍が続く中で、だぶついた在庫を消化する流れとなりそうで、その中でどのように戦っていくのかが問われる年になりそうです。
店としては出来る限りお洒落なゆかたコーディネートにこだわりたいと考えていて、新しい仕入先にも足を向けてみて、2023年の夏の店作りを考えてみたいと思っています。
一方で店の強みを示すことが出来る加賀染め浴衣ですが、今年の商品が全部上がっていないみたいで、担当者からは坂口さんの加賀染め浴衣が揃った時点で連絡をいただけるとのことでしたが、そこで珍しい商品を見つけました。
【坂口幸市氏が染めた「加賀染め絹紅梅」の夏きもの】
それは、病気で療養中の坂口幸市氏が手がけていた「加賀染め絹紅梅(絹100))」のきものが加賀染め浴衣の横に並んでいましてね~
坂口幸市氏の「絹紅梅」を目にするのは10年振りかもしれません。
それだけに感激するところがありましてね~
絹紅梅となれば、竺仙さんのきものが一番に頭を過ぎります。
毎年絹紅梅の新柄を仕入れては店頭で販売させていただいていますが、あるとき、地元で染められていらっしゃる坂口幸市氏の絹紅梅を手に機会に恵まれて、ネットでその情報を流したところ、全国から坂口さんの加賀染め絹紅梅のきものが欲しいとの問い合わせが入って来ましてね~
これには驚きました。
問い合わせをいただいた方の声はどなたも似ていまして、竺仙さんの絹紅梅はお取引のある専門店かデバートに行けば手にできるが、坂口さんの「加賀染め綿紅梅」は取り扱っている先がほとんどなくて、以前から手にしたいと思っていたと言われるのです。
その時初めて坂口幸市氏の偉大さを知った訳ですが、手にした反数が少なくて、ずぐにお嫁入りしたことを覚えております。
そのような出来事があって、翌年、坂口幸市氏の絹紅梅を探したのですが作られていなくて、次の年も気にかけていたものの、絹紅梅が染められることはなくて、そうこうしている間に幸市氏が病気になられてしまって、二度と坂口さんが染めた加賀染め絹紅梅を見ることが出来ない思っていたら、目の前にひょこんと現われて、ここで手にしなかったら後で後悔するに違いない。
そのようなことを思うところがあって、3柄をゲットしました。
シーズンになったらこの絹紅梅をコーディネートした画像を紹介させていただけらと思っていますが、その前にお嫁入りすることを期待している私です。
こうして仕入先を覗いて見ると、思わぬ商品に出会うことがあるので、見て歩くことは大切な事かと思っています。
ということで今日の記事とさせていただきます。
ではこれにて・・・
お休みなさい、