加賀百万石の文化・花嫁暖簾と水引で作られた宝船

今年初めての京都入りは成人式が終わってからと考えていますが、その前に、地元の仕入れ先の初売りに伺う事にしました。

 

そこで加賀百万石の伝統的な文化でもある祝飾りを目にしたものでご紹介したいと思います。

 

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水引で創作
された宝船。

結納の儀に、縁起物として相手様に持って行ったもので、帆の部分を5円(ご縁)玉で創る水引職人もいました。

 

この仕事に関わった頃は、当たり前のようにして見かけたのですが、最近は、大げさなことを避けられる方が増え、貴重な品となっているのが現状です。

 

 

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そして、これが婚礼に使われる花嫁暖簾というものです。

大きさは5枚の生地をのれんのようにして縫い合わせて、幅を約180㎝に仕立てたもので、上の部分には家紋を二つ入れ、そして、加賀友禅でお目出度い模様を描いた石川県特有の座敷暖簾。

 

この写真の柄は花車で、友禅作家が自分の腕前を競って描いたと聞いて、いろんな模様が描かれていました。

使い方は、結婚式に嫁ぎ先の家に花嫁暖簾を提げ、花嫁が打ち掛けを着てこの暖簾をくぐり、仏壇に手を合わせるという、風情のある使い方をするものです。

 

ご養子さんの場合は家紋が入る上の部分の色が紺や紫にしていました。

この花嫁暖簾も使わなくなりつつあり、こうして語られる商品になろうとしています。

 

いずれの品も呉服屋さんがお世話していたもので、お客様のご結婚が決まったと耳にすると、着物も含め、このような商品もご一緒に薦めたものです。

 

過去の良き時代の話になりますが、大きな婚礼になると、お支度だけでも一千万近くかけたという話が飛び交う時代で、新郎新婦の結婚というより、家と家の結婚という構図が際立ち、親の自己満足でご準備を整えた先も少なくなかった気がしています。

 

競い合ってお支度をしていたブライダル、その中で、潤っていたのがご商売屋さんだったのかもしれませんね。

 

今では考えられない話になっていますが、同時に石川県の文化がすたれて行く姿を知ると、寂しさがこみあげる私です。

 

違った角度から見れば、物事の言い伝えや意味、そして、着物の面白さを充分に伝えてこなかった私達にも大きな責任があるように考えています。

 

おくゆかしい文化を絶やさないためにも、本質を知っていただく為の努力が大切なのかもしれませんね。


 

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