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先日京都で選んで来た商品が入荷しておりますが、今日はそれらの中から今回始めて取り上げる和装のおしゃれ小物を紹介したいと思います。
最初にアップしたトランプマークの品はいったい何にするものだと思いますか・・・
和装とは距離を置いた品に見えますが、なんと帯留なんですよ。
クローバーにスペード、そしてハートの3種類。
店が取り扱っている着物や帯に合わせるとなると、少し無理があるようにも思ったのですが、夏の陣、20代を中心とした浴衣商戦のことを考えると、この帯留をおしゃれの切り口として取り上げたくて揃えてみました。
こうしてブログにアップすることで、着物に目覚めた、しかも個性的な着こなしを追及している方との出会いがあればと考えているところも正直あります。
トランプマークの帯留の使い方ですが、カジュアルの着物に合わせるのがベターだと考えています。
特に帯に重なることでもあり、帯は無地感であったり、抽象的な模様の方が合わせやすいように思います。
まさに、おしゃれを強調する和装の小物と言えるでしょう・・・。
一つ¥2、520とリーズナブルな価格でもあり、興味のある方は是非チャレンジしてみてください。
次の千鳥をモチーフにしたかんざしと帯留です。
なんと可愛いことか・・・そんな想いに駆られて選んでまいりました。
千鳥帯留・・・¥2、940
千鳥かんざし・・・¥3、150
金魚かんざし・・・¥3、150
そして入卒やお花見などにお薦めしたいのが、このかんざいです。
上品でしょ・・・
左側の2本クシが¥5、040
右側の南天が¥3、150
この2点も「もどき商品」で誠に申し訳なく思いますが、べっ甲にサンゴを合わせた高級感溢れるかんざしで、昔からの定番品といえる品です。
お値段は共に¥2、520の品で、気軽にお使いいただけるのではないでしょうか・・・
店では他にも沢山かんざしの品揃えをしております。
これからの季節、足元もよくなり着物でお出かけすることを考えていらっしゃる方も多いことでしょう・・・
タンスにしまい込んだ着物の状態を確かめておくことは勿論の事、細部にわたってコーディネートの点検をしておいてください。
その際に見落としがちなのが「かんざし」です。
頭の中に「おしゃれなアイテム・かんざし」というキーワードで叩きこんでおいてください。
お金を使って、自分を磨くことはおしゃれの基本だと考えています。
そのお手伝いを和装という分野からアドバイスさせていただきたい・・・
私の店の役割だと考えています。
どうか気軽に相談してください。
昨日は随分夜更かしをしてしまって、この時間になると頭がボ~トして集注することが出来なくなっています。
間違いなく寝不足です。
この後、記事を続ける事が出来るか判りませんが、附下げのシミ抜きを相談にこられた老夫婦の話を書こうと思います。
その方は、私が勤め人だった30年近く前に嬢様の振袖を準備してくださった方でした。
お話をしている間に私の記憶に残る幾つかのシーンが繋がり始め、当時のことを思い出すものでした。
過ぎた時間をしばらく埋めた後に、ご用件をお尋ねすると、
行きつけのクリーニング屋さんで、奥様が着た附下げのシミ抜きを相談すると、元に戻せるか自信がないとのことから、呉服屋さんで相談することを勧められたそうです。
その時お客様は、私がこの地で独立をして呉服店として商売をしていることをチラシなどで知っていて、私を頼って来てくださったのが先月のことでした。
このような交渉事はご主人がするみたいで、奥様は静かに成り行きを見守るだけ。
値段のことを尋ねになられたので、先に見積もりを取り、お客様に了解を得てから仕事に入ることを伝え、同時に私の見解もお話しさせていただきました。
「私の予測ですが、古いシミも広がっていて、2万円近くかかるかもしれませんね。」
その後、見積もりが出たので、お電話で確認を取ってから仕事に入り、そして、綺麗な状態になって店に戻ってきました。
前置きが随分長くなってしまいました。
そして、今日の話です。
シミ抜きが終わったことを連絡すると、今日の午後にお二人で着物を取りにこられました。
車を店の前に横付けにし、先にご主人が店の中に入り私に近づくと、
「あんたの奥さん若くして亡くなったそうな・・・」
「どれくらい前のことなんじゃ・・・」
いきなりどうしたのかと思いましたが、ご主人の後にゆっくりとした足取りで店に入ってきた奥さんが、斜め後ろから、
「この間、温泉に行って、ここの店の話をすると、奥さんの話を聞かされたもので・・・」
これが噂というものかと思いましたが、隠す事など何ひとつ無く正直に話すと、
「奥さんがいないとお困りじゃろう・・・再婚を考えたりはしないものか・・・」
「辛い体験を思い出させてしまってごめんね~」
などなど、心配をしてくれているのか、私に興味があるのか、その本意を知ることなく 次から次と質問攻め。
急にお客様との距離が近くなった気がしました。
そしれ、見積もりで申し上げていた金額 ¥11、550 のシミ抜き代の伝票をお渡しするとご主人が、
「そんな少しでいいの~・・・」
「間違えていない・・・」
「着物を包む紙も新しくしてもらったみたいだし・・・」
「もっと取ってください」的な話をなさるもので、困ってしまって・・・
何度も申し上げた金額でいいことを話すと、ご夫婦は肩を寄せ合いながら小銭を寄せ集め、百円多い金額を私に下さいました。
「この百円は電話代だと思って取ってください・・・」
「そんな訳にはまいりません・・・」
押し問答が続く中、
「私はこの百円より、また 店に来ていただける事の方が、どれだけ嬉しいことか・・・」
ご主人は私の話しに納得されたみたいで、着物が入った文庫紙を半分に折りたたみ、それを両腕に抱えるようにしてお帰りになりました。
私の推測ですが、車の運転をしていらっしゃったご主人は80歳近いのではないかと思います。
元々農家の方で、田舎くさいところに人情味があって、なんでもないことに感謝を覚えることがあります。
まさに老夫婦の来店は、忘れていた人の温かさを思い出させるものであったことには間違いありません。
ありがとうございました。
こうしてあったことを書いてみると、沢山の字数になってしまうものです。
長々と付き合ってしまって申し訳ありません。
これで、今日を閉じることに致します。
お休みなさい。