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10月に入ると急に肌寒さを感じるようになり、いよいよ秋本番。
新しい年度を迎えたことだし、スタートダッシュを図りたいところですが、お客様の動きが鈍くて不安に思うことがあります。
そこに飛び込んで来たのが、相田みつをさんの今日の言葉。
「道」
道はじぶんでつくる
道は自分でひらく
人のつくったものは
じぶんの道にはならない。
なんと重たい言葉だろう・・・。
自分でつくる道って、いつになったら満足できるのかな~
それとも、道を間違えているのかな~
しっかりした自分がいなければ、道に迷います。
信じれるものがなければ、道が見えなくなります。
昨日からNHKで始まった連続ドラマ「神様の女房」、
(私が最も尊敬する松下幸之助さんと妻の新婚生活から始まる話。)
道を切り開いていった人だけに、興味深く拝見しましたが、その後だけに相田みつをさんの言葉に刺激されました。
さて、ここからは先月銀座の展示会で着物相談を受けた着物のシミ取りの話しです。
その相談とは、何度かお召しになられた白大島に黄色いシミがあり、着ることが出来なくなってしまった。
治らないと思いタンスに仕舞い込んでいるのだが、お気に入りの着物だけに着物の状態を見て欲しいとのことでした。
そこで、店に送っていただくことにしたのです。
それからしばらくして、その方の白大島が店に届きました。
広げてみると気になるシミは幾つかあります。
特に気になるのが衿の部分で、黄色く立て線が入ったように見えるでしょ・・・
このシミは着ていた時に付いた油シミだと考えられます。
着た後にお手入れをしていなかったことが、後に黄変したのではないでしょうか・・・
他にも、黄色い斑点が固まった場所に数か所あり、状況からみて汚れとカビ原因だと思います。
お客様は、この状態を見て、着れないのではないか・・・
そのようなことを思っていたそうです。
今回のご相談を受けて、世の中には誰にも聞けなくて、高価な着物をダメにしてしまっている方が随分いらっしゃるのではないか?
いや、きっといる。
この相談をブログで紹介し、お直しが出来ることを知らせてあげたい。
そのようなことを考え相談者の承諾を得て記事にしたものです。
そこでお直しのやり方ですが、白生地から染めた着物と違い、織り物のシミは取るのが難しいんですね~
そこで、カビも出ていることから洗い張りという仕事を先に致します。
仕上がっている着物を反物の状態に縫い合わせてから、汚れを落とす洗濯のようなものです。
この作業で、或る程度の汚れは取れると考えますが、それでも古いシミが残ることもあります。
染物の場合はシミが残った場合、次の段階としてシミ抜きという作業を加えますが、織り物ん場合は、その判断が難しくてね~
その時は、シミが隠れる所に持って行って仕立てるという方法を考えてみます。
それでもシミが気になる場合は、表と裏を反対にして仕立てるという方法が残されています。
勿論、お客様の了解を取らなければなりませんが、紬などの織り物は、表と裏の見分けがしにくく、その点を利用した考え方です。
その他にも着物の種類やシミの状態によって、お直し方法は変わりますが、お召しになれる状態まで戻すことが出来ると思います。
それも、ある程度限度がありますが、仕事に入る前にはお見積もりと、仕事の工程をお話し、ご納得をいただいてから、作業に入るようにしています。
今回の白大島は、その見積もりを取っている最中です。
私の予想では縫い直し代金も含め、4~5万円の間で納まるのではないかと考えています。
皆さんの中に、気になる着物のお直しを考えている方は、是非、お近くの専門業者にご相談してみてください。
明日は京都出張です。
それでは今日はこの辺で・・・
お休みなさい。