消費が落ち込む2月を、訪れる春に向けての仕込みの時期だと考えています。
それは農家がお米や野菜を作るために田畑を耕し苗や種を植えることと同じで、4月の店内催事となる卯月展に向けて新しい試みができないものかと、苗となる仕込みを仕入れ先と相談しているところです。
そこで今日は卯月展に向けて何をやりたいかを記事にしてみたいと思います。
私は無地風の小紋や紬の着物が好きで、帯で季節や遊びを作り出すコーディネートを広く知っていただきたいと思って、これまでにいろんな組み合わせをブログなどで紹介してまいりました。
そのスタンスを卯月展で特集を図れないかと考え、スポットを当ててみたいと思ったのが「江戸小紋」です。
帯の合わせ方でセミフォーマルにもなれば、おしゃれ着にもなる江戸小紋を紹介したい。そんな想いから仕入れ先でもある竺仙さんのお力を借りれないかと考えたのです。
しかし江戸小紋といっても市場にはいろんな商品が出回っていて、伝統的な技法をかたくなに守って染めていらっしゃる竺仙さんの江戸小紋を深く知る人は多くはいません。
「どうしたらいいのか?」そこから私の構想が始まりました。
そこで染め上がった江戸小紋しか見たことがないお客様に、染め上がるまでの過程を目に触れていただくことで、いくらかでも江戸小紋の魅力を伝えることができるのではないか?
また、江戸小紋を生かした新しい商品を作り、それを店で紹介できたなら、どんなに素敵なことか・・・
そのような想いから、思いついたのが江戸小紋半衿を作り、その製品を見本としてオーダーメイドでお客様の目の前で染師さんに染めていただけるとしたら、喜んでいただけるのではないだろうか?
それは、江戸小紋の伝統的な技を知るだけでなく、新しいおしゃれの提案にもなると考え、その想いを竺仙さんの担当者に相談してみると、これまでに白地に模様を描いた江戸小紋半衿のような品を染めたことがないために、会社に持ち帰り染師さんとも相談して検討したいとの返事でした。
それが昨年の11月のことです。
それからしばらくして、江戸小紋の染師でもある伝統工芸士「根橋秀治」さんと一緒に取り組んでみることとなったのです。
そして現実なものとして動き出したのが新年が明けてからのことでした。
最初の試作品として江戸小紋半衿が染め上がったことを1月31日の記事にしました。
https://kimonofukushima.co.jp/wp2024/blog/2016/01/post-3451.html
竺仙さんも私も小紋半衿を作るのは初めてのことで、打ち合わせを重ねて、卯月展にて採り上げる半衿の柄と色が決まったのが2月の11日のことです。
それも記事にしたので、ここに添付してみました。
https://kimonofukushima.co.jp/wp2024/blog/2016/02/post-3462.html
そして今日、残りの3柄が店に届いたのです。
それをここに紹介してみます。
若草色で染めた江戸小紋半衿です。
格子柄の小紋に合わせてみたのですが、爽やかで素敵でしょ・・・
こちらは紫地で染めた松葉柄です。
それを黒地の小紋に合わせてみました。小粋な装いかと思います。
これは花菱紋だと思いますが赤系に色で染めたものです。
派手目の小紋に合わせてみましたが、面白さが表現されたかと思います。
これで2月11日に届いた3柄3配色と合わせて予定していた6柄6配色が揃いました。
これを4月22日(金)~25日(月)までの4日間、卯月展にて紹介させていただきます。
お客様には6柄6配色の中から模様と色を選択していただいて、目の前で根橋さんに小紋半衿を染めていただくことを予定していますが、他にもいくつかのメニューを用意してみることとしました。
期間中の特設会場には染に必要な板場を準備することから、3つのメニューを設けます。
其の❶ 正絹の塩瀬半衿でご自身の江戸小紋半衿を染める(有料)
其の➋ 正絹の白生地でご自身の草履や下駄の江戸小紋鼻緒を染める(有料)
其の❸ 江戸小紋染をご自身が体験する(無料)
❶と➋は前もってご予約をいただいて、その場にお越しになられた方を優先したいと考えていますが、合間を見て❸の体験ができることとなるかと思います。
勿論、ご自身で半衿や鼻緒を染めることもできます。
気になるのがお値段かと思いますが、市場に出たことのない商品であるために価格の設定が難しくてね~
担当者は伝統工芸士でもあり黄綬褒章をいただいた根橋さんの染めたものなので、税込16,200円でお願いしたいとのことでした。
しかし、一人でも多く手にしていただきたいと思うと、もう少しお安く提供したいと考えています。
そこで❶の正絹江戸小紋半衿を税込1万円、➋の江戸小紋鼻緒を税込5千円で受け付けたいと思います。
現在鼻緒は制作中で、3月中にはご紹介できるかと考えていますが、何一つとっても市場にはない商品です。
これも力をお貸しくださった根橋さんのお蔭で、竺仙さんは4日間限定で仕事をさせていただきたいと釘を刺されました。
いずれにしても、伝統を守り続ける本物の江戸小紋を深く理解していただくためにも、このような企画を盛り込んで着物の魅力を地域の方々に伝えたいと考えているところです。
これから販促物を準備しなければなりませんが、皆さんには一足早く「江戸小紋展」の構想をお伝えしておきます。
解りにくい点もあったかと思いますが、どうか楽しみにしていてください。
長々とお付き合いくださいましてありがとうございました。
私のチョット疲れました。
それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。