毎日リオオリンピックの日本人の活躍に感動をいただいておりますが、各競技の要の試合が深夜から明け方の戦いとあって寝不足の日が続いております。
スポーツの世界は結果がすべて。それだけに流す涙も積み重ねた努力の汗かと思えるものがあって、明暗が分かれた涙の味がテレビから伝わってくるものです。
本人にとっては結果が何よりも大切なのかもしれませんが、勝者も敗者も今後の生き方や考え方に生かされるものになるのではないでしょうか?
日本選手団にエールを送らせていただきます。
さて、この時期になると店内の品揃えを夏物から秋物へと切り替えていかねばなりませんが、残暑がとても厳しく、今晩も熱帯夜になりそうで気持ちの切り替えがなかなかできません。
オリンピック選手のパワーをもらえているのに、自分に厳しくならないといけませんね。
それでは今日の話題です。
この映像は七五三を前にした男児の四つ身紋付です。
つまり五歳児が着る着物で背の模様は「兜(かぶと)」になります。
そしてこちらは青い地色に「鷹(たか)と松」を描いたものですが、どちらの品もご当地の加賀友禅作家さんが手がけたもので、これから仕立を加える着物地になります。
この柄と同じものが羽織にも描かれたアンサンブルとして用意されたものです。
加賀友禅の着物の種類の中でも、男児の着物は最も品数の少ないもので、市場に数点しかない商品かと思っています。
その意味では希少価値の高い品と言えますが、どうして着物と羽織の両方に同じ柄は入っているのかお判りでしょうか?
手描き友禅だけにコストも高くなりますが、子どもが生まれた時の宮参りも兼ねて作られているからです。
というのは、宮参りには生後間もないことから祖母が赤ちゃんを抱え、着物をはおらせて神社にお参りするものです。その際には羽織は必要としません。
そうなると、着物に柄がないと意味を持たないことから柄を入れているんですね~
その後、赤ちゃんが元気に成長し五歳児の七五三になると、今度は小さくても紋付羽織袴が正式な装いになることから、着物に描かれた模様が羽織で隠れることになります。
そこで、お子さんが着るアンサンブルとして羽織にも模様を入れる必要性があって、同じ柄を入れている訳です。
なので、宮参りと七五三を兼ねて染められたものだと考えることができます。
しかし、初めて七五三に着物を用意される方には、着物に模様は入っていても意味を持たず、コストだけ高くつくとあってはもったいない話です。
そんな方に対応できるように、着物を無地にし、羽織だけに模様を入れたアンサンブルを作家さんに染めてもらっているんですね~
染め上がりまで少し時間を要しますが、コストを抑えた、こだわりの加賀友禅の四つ身紋付となるものです。
これが手仕事のいいところです。
講釈が多くなりましたが、既製品の四つ身紋付が市場を埋め尽くし選択肢が少ない中で、誂えの加賀友禅の男の子の紋付が作られているころをお伝えしたくて、ここに紹介してみました。
どうか参考にしてみてください。
このような記事を書きながら、秋の様相を深めることができればと考えているところです。
明日は秋の店作りの構想を記事にしたいと考えていまして、よろしければ明日もお会いできればと思っています。
それでは、今日はこれにて・・・
お休みなさい。