ゆかた市場から見えてくる和装業界

 

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京都に出張するたびごとに、店でお出しするお茶菓子を買って帰ります。

お客様に季節の風情を味わって欲しいと思ってのことですが、今月も幾つかの和菓子を買ってまいりました。

 

その中の一つが金谷正廣さんの京菓子「鮎」、おそらく新商品だと思います。

お客様からの評判も良いもので、このブログで紹介してみました。

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さて、今日は「和装業界とゆかた」のことについて記事を書いてみようと思います。

 

先日浴衣の市場調査をしてきました。

市場調査というと大げさな話のように聞こえますが、近隣の二つのショッピングセンターに行ってゆかたの品揃えを見ておきたかったのです。

 

いずれも商圏が重なることもあり、「敵を知る」という感じでしょうかね~

 

例年のごとく、量販店も専門店も既製品のゆかたがラックに吊り下げてありました。

価格帯やセット商品の組み合わせは多少違うにしても、皆、同じ方向を向いている感じです。

 

ゆかた≒既製品が定着してしまったのでしょうかね・・・・・

私はその点に疑問を感じてなりませ。

 

既製品のほとんどがワンサイズ、適用身長が163~164㎝で、体を巻く身幅も普通の体系に合わせてあります。

着物は多少の体系が違っても着付けの仕方で綺麗な装いにまとめれますが、それでも限度があります。

 

例えば150㎝の身長の方が既製品のゆかたを着ると、洋服でいうS寸の方がLL寸を着たみたいになり、スッキリした着こなしにはなりません。

170㎝近い人にも同じことが言えます。

 

また、適用身長が合っていても、極端に体系が細かったり、体格が太かったりすると既製品はNGということも当然あることです。

 

世の中にはさまざまな体系の人がいるにもかかわらず、寸法がみんな一定とは可笑しな話です。

 

どうも洋服で既製品慣れしてしまっているのでしょうね~

 

それに売り手側も不親切だと思います。

どうして売り場の一角にオーダーメイド仕立てが出来る反物を揃えておかないのでしょうか・・・・・

 

そこには、着物を知らない人が増えている中で、ゆかたに興味を持ち始めた若者が、業界が送り出した既製品に飛びついたからでしょうね・・・・・

 

売り手側の想いと買い手側の想いが、合理性というところで繋がったところがあるようです。

 

私も昔はその方向に向きましたが、何かが間違っているような気がしてなりません。

 

地域に根付く呉服店さんは、昨今のゆかた市場の流れを追いかけるのではなく、オーダーメイド仕立ての大切さを継承すべきではないでしょうか・・・・・

 

店の和裁士の話ですが、同業の方が、和裁士の仕事から離れたそうです。

それも二人の方が・・・・・、数日前の話です。

生活の為に他の仕事を探したいとのことでした。

 

私達の和装業界は、このままの状態でいると、海外の人の手を借りないと成り立たない業種になってしまいます。

 

私達業界人は、本当の着物の面白さ、洋服にはない和のファッションを伝える使命感を持ちたいものです。

時代の流れに逆らうみたいですが、ゆかたであっても着物はそうあるべきだと私は考えています。

 

現場でお客様と接していて、おしゃれのこだわる女性は、現状のゆかた市場に不満を抱いていることも書き加えておきます。



 

 

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