「まさか」の出来事・桜はいつ咲くのかな~

 今日も雪が降り、肌寒い日が続いています。

お彼岸のこの時期になると、お客様の庭先に春一番を知らせる「彼岸桜」が咲き始めるのですが、この寒さに開花が遅れているみたいです。

 

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彼岸桜も今回の震災を気にかけているのかもしれませんね。

 

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震災が起きる3月6日のことです。

或る方からメールでブログにアップしていた手織りの夏帯が欲しいとの相談をいただきました。

 

その帯は2年近く前にアップした品で、店にはありませんでしたが、手織りであることから時間をいただければ同じ品を織ることが可能であることをお話すると、是非、お願いしたいとの話しになりました。

高価な帯だけに間違いが起きないように、確実な返事を21日過ぎに入れることをお約束をして事を進めていたのです。

 

そして今日、同じ品を織れるとの確認が取れたので、ご依頼者にお電話を入れると、どうしたことでしょう・・・

受話器から聞こえる声に元気がありません。

なんと、震災の被害に遭っていたのです。

 

ご依頼者のお住まいを尋ねると茨城県の方でした。

住宅も少し被害を受け、仕事も見通しが立たない状態だというのです。

 

その方は野菜を作っていて、原発の被害を受けたのです。

 

現状の話を聞くと、返す言葉がありませんでした。

 

それでも、その帯が欲しいと思っていたらしく、随分悩んでいたことも話してくださいました。

 

そこで私は、夏が訪れるまでにはまだまだ時間があります。

このような事態の中で、無理をしないでください。

迷っていらっしゃるようなので、4月の中旬頃に、もう一度電話を入れたいと思います。

その時に冷静な判断をいただければと思います。

 

そして、勇気付ける言葉を返したつもりでしたが、「まさか」の出来事に気が動転してしまって、充分な言葉を伝えることができたのか、複雑な気持ちで電話を切ることとなりました。

 

おそらく形は違うにせよ、震災後にこのようなケースは至る所で起きている事ではないでしょうか・・・

とても辛い現実です。

 

今日は他にも 出入りしている印刷屋さんが、震災で印刷をする紙が入ってこなくて頭を悩ませていました。

紙やインクを作っている工場が東北地方にシフトを置いているらしいんですね~

 

こうして世界を巻き込んで、目には見えない震災の被害が水面下で起きていることを知ることとなりました。

 

立ち上がれ日本。

元気を出せ日本。

負けるな日本。

 

笑顔が見える日まで、耐えながらも踏み出さなくてはなりません。

 

桜はいつ咲くのかな~

心の中で、自分に言い聞かせている私が そこにはありました。

 

店が出している情報紙「あ・うん」4月号に、「元気が出る言葉特集」と題して幾つかの言葉を載せました。

その中の一つを紹介して今日を閉じることに致します。

 

『雨は一人だけに降り注ぐわけではない。』

    ヘンリー・W・ロングフェロー (アメリカの詩人)

 

とかく私たちは自分だけが不幸の下にいるように思いがちですが、雨が誰の上にも降るように、不幸も挫折も、誰もが味わっているのです。

 

それではお休みなさい。