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今日は久しぶりに店に賑わいがあった日で、忙しい一日になりました。
私の店を頼って尋ねて来てくださるって本当に有難い・・・
単純なのかもしれませんが、人の出入りが多いと気持ちが前向きになるものです。
この落書みたいな文字は、私が今の店を作って数年後に進む道に迷って書いたものです。
店の事務所に掲げていますが、随分色あせてしまっています。
当時は地方の呉服店といえば、着物以外に、宝石、爬虫類のバック、毛皮やブラックフォーマル、羽毛布団に至るまで、仕入れ先が持ってきた企画を難しく考えることなく、売れるものなら何でも取り扱った時代です。
私も他店に負けてなるものかと、取り上げていました。
そのような時代の中で、自分が本当にやりたいことは こんなことではない。
もっともっと和物にこだわった店があっていいと思うし、それもワクワクするような店が創れたら、どんなに素敵なことか・・・
そのようなことを思い始めたのでした。
その時に自分に言い聞かすように書いたのが先程の文です。
それからというもの、楽しい店を創りたいと思う一心で店の体質が少しずつ変わり始めました。
だけど、店のファンが増えるまでには随分時間がかかるものでした。
どうしたらいいのだろう~
自分に問いかける日々が続いたのです。
そんな私を支えてくれていたのが妻だったのです。
それからというものは いろんなことがありました。
妻が「四季を楽しむ情報紙」を作りはじめたり、前結び着付け教室を開講し店のファンを作るのに必死でした。
二人で同じ方向を向き、現在の店を創ってきたのです。
その妻がいなくなって、やがて3年が経とうとしています。
和装業界も厳しい時代に突入し、もう一度、新しい道を探る時が来たことに気付かされている昨今です。
私が持っているこので何が出来るのか判りませんが、原点は私が書いた「もっと・もっと・楽しい店」にあると考えています。
どうか温かな目で、この先も見守っていてください。
お願い致します。