母が届けてくれたカレーライス・そこには沢山の愛情が詰まっていました

 昨日の夕方、私の実家(福井県)から、かーちゃんがカレーを作って持って行きたいと言ってるから、明日、店に寄りたいとの電話が弟から入りました。

 

私と弟は母のことを「かーちゃん」と呼んでいて、その母も今年の11月で満83歳になります。

 

膝と目に持病があり、ここ数年の間に目が見えなくなってきていることをとても嘆いていて、外出する際には、杖と車椅子を使い分けて生活を送る日々。

 

顔のシワも深くなり、随分年を取ったことを感じております。

 

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そんな母が何を思ったのか、カレーライスを食べさせたいといって、ここまで持って来るとは・・・。

私たち家族のことを気に掛けてくれていることがよく解ります。

 

ここは、母の気持ちに甘えてみることにしました。

 

そして今日、予定通り 弟の車に乗せられたカレーライスが店に届きました。

勿論、母も一緒で、今年初めての訪問となります。

新米も30kgも持って来てくれて、誠に有難い差し入れです。

 

それからしばらく、店で近況を話しする母。

耳も遠くなってきていて、大きな声を投げかけないと会話が続きません。

 

「欲しいものが何もない」とか、「綿素材の洋服が好きだ」とか、ひとり言のようにして話をする横で相槌を打つ私。

 

どうしてカレーライスなのかは聞きませんでしたが、目が悪くなって、なにを料理しても時間が掛かることも話していました。

それなのに、私たちの家族のことを思って作ってくれたカレーライス・・・。

感謝の気持ちがこみあげます。

 

しばらくすると母は立ち上がり、商品が並ぶ方へと歩き出しました。

いい物がないか探し始めたのです。

 

「ここにあるものは何・・・?」

 

広げた掌にその商品を乗せ、大きな声で説明する自分。

それを指先でなぞるようにして確認しながら、

「このバッグ、上が開いているから財布が盗まれそう。か―ちゃんには合わないわ・・・」

 

「そっちにあるのは・・・?」

 

そんなことを繰り返しながら、幾つかの雑貨を手にしていました。

 

「全部でいくらになる・・・おまけしなくていいから・・・損したらだめよ・・・」

繰り返し私に話しかけるのです。

 

私にしてみれば、プレゼントさせて欲しいのに、絶対に受け入れようとはしません。

何も欲しい物がないと、話をしていたばかりなのに、私を想う気持ちからか、少しでも売り上げに貢献したいと考えたのでしょう。

 

合計で13000円あまりだわ・・・

 

すると母は、「そんなに少なかった・・・」

そうつぶやき私に2万円渡すと、「お釣りはいらないから」といい、私のこづかいにしろと言うのです。

 

一度言いだしたら止まらないので、有難く受け取ることにしました。

 

身体も小さくなり、もうどれだけ生きられるかわからない、そのようなことを口に漏らす母だが、子供を思う気持ちは昔とちっとも変っていない。

 

そして、その温かさも・・・

 

もしも、母が元気な姿だったとしたなら、おそらく母に向かって一つや二つ、口説いていたことでしょう・・・。

しかし、母の残された時間のことを考えれば、余計な心配を掛けたくありません。

それは私が母にしてあげられる最高のプレゼントだとしたら、背伸びをした偽りの姿もあっていいのかもしれませんね。

 

 

かーちゃんの作ってくれたカレーライス。

鍋の中には、56年間の私への愛情と、3人の孫たちへの愛情がいっぱい詰まっていました。

 

昔の味を思い出しながら腹いっぱい食べたゾ~~~

美味しかった。

 

いろいろと気を使ってくれて、ありがとう。

来年もこの味、届けて欲しいです。

だから元気でいてください。

 

ね、かーちゃん。

 

もう一度言いたい・・・ありがとう。

 

 

ということで、着物や和雑貨の記事を書けませんでした。

 

皆さんにもご両親がいらっしゃると思いますが、幾つになっても母は母、子供は子供、その関係はどんな時代が訪れようと、みんな同じなんでしょうね~

 

母を大切にしているとは言い難い私が申し上げるのも変ですが、親孝行が出来るものを探し、それを

掌に乗せてあげたいものです。

 

 

それでは、今日はこれにて・・・

お休みなさい。