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月末ともなると店の郵便ポストには仕入れ先からの請求書や展示会の案内状などが届いていますが、その中に手書きで店宛てに書かれた白い封筒が入っていました。
明らかに会社関係の郵便物でないことが判るもので、「誰だろう~」と思い裏側に書かれた住所を見ると3・11で被災された岩手県釜石市から届けられた手紙でした。
その住所を見るなり、ブログから「岩手釜石」という名で何度かコメントをいただいたあのお片だ・・・。
仕事が思い通りにならず、沈み加減の時だっただけに、その事実を知った時は心に明かりが灯り、緊張感が稲妻のように走りました。
実は新年早々に「岩手釜石」さんより振袖の相談をいただいていましてね~
その返事を送った経緯があります。
封を開いて読んでみると、津波で家も街も流され、すべてなくなってしまった苦しみや、全国からいただいた温かな支援に感謝する気持ち、そして私のブログに出逢った切っ掛けなどなど、5枚にわたるものでした。
そこには来る2月19日(日)・20日(月)に、東京・椿山荘(ちんざんそう)である展示会にお嬢様の振袖の件で伺いたいとの事が書いてありましてね~
私を信頼していただいていることが伝わってくるだけに、責任の重さと、離れた距離を東京で結ぶ繋がりに胸が締めつけられました。
これまでにたくさんの振袖を見立ててきましたが、このようなご相談は初めてで、しかも、想像もできない苦しみの中で、お金を捻出し振袖に託す親の愛情と絆。
お客様の想いに応えられるかとても心配になりますが、純粋にお見立てをするという仕事に徹し努力したいと考えています。
ご相談をいただいたW様、このブログを読んでいただいているでしょうか・・・
お持ちになられている帯を生かしたいとのことで、ご面倒でなければ、当日お持ちいただけるとお見立てもスムーズに運ぶのではないかと考えています。
それと、日程が分ければお知らせください。
椿山荘でお待ちしております。
元気をもらった手紙に感謝です。
ありがとうございました。
喜んでいただける仕事をしたい。
そのことを心に誓い、今日を閉じることに致します。
それではお休みなさい。

はじめまして。きものふくしま店主福島正弘です。
石川県、金沢市のお隣の白山連峰が見えるところで着物と和雑貨を販売しております。
着物和装に携わって約40年。県内外問わず、全国の着物ファンの方々から様々な相談を受けております。
店主の紹介をさせていただきます。
昭和30年、福井県に生まれる。 昭和48年に京都の染屋で修業を積み、その後昭和51年に石川県の呉服店へ勤務。着物の世界に触れながら「いつか自分のお店を持ちたい」という夢を抱き続け、昭和61年に 「きものふくしま」 を創業しました。
創業当初は無店舗での経営からスタートし、10年目に念願の店舗をオープン。以来、着物ファンを増やすことを使命に、お客様とのつながりを大切にしてきました。
- 情報発信への取り組み 25年前から四季を楽しむ情報紙『あ・うん』を毎月発行。 20年前からは毎日ブログを更新し続け、新しいお客様との出会いを広げています。
- 技術と経験 約40年にわたり呉服業界で培った確かなコーディネート力には自信があります。お客様一人ひとりの個性を引き出し、着物をより身近に楽しんでいただけるよう努めています。
「きものふくしま」は、着物を通じて人と人を結び、四季の彩りを楽しむ暮らしを提案し続けています。
- 法人番号: 8220002000118
- 法人名: 有限会社きものふくしま







