加賀友禅の女児一つ身・そしてお宮参りの由来とお参りの仕方

 うなり声を立てて走る冷たい風が春を遠ざけた一日でした。
疲れが溜まっているのか、その冷たさが体に染みます。
日本の七十二候では、今の時期を啓蟄(けいちつ)と言って、陽気に誘われ、土の中の虫が動き出すそうですが、そんな気分にならない日ではなかったかと思います。
それでは今日の投稿と致します。
DSC_0038kagayuuzennhitotumi.JPG
柔らかなクリーム地に鮮やかな色彩で彩られた手まりの柄。
裾ぼかしのピンクが優しさを添えた女児の加賀友禅の一つ身(ひとつみ)です。
お孫さんの誕生を祝って誂えていただいた品で、その上品さにうっとりさせられます。

この着物は店のスタッフの内孫さんのために用意された着物なんですね~
息子さん夫婦が遠方で暮らしているもので、お嫁さんのお母さんと二人でお選びいただいたものです。
お嫁さんがこちらの品を目にしていないこともあり、一足先にこちらの画像で紹介させていただくことにしました。
DSC_0036kagayuuzennhitotumi.JPG
全体を模様で埋めた一つ身とは違って、空間を上手に生かした品の良さが加賀友禅にはあります。
ここに子供の成長を願う優しさが秘められているのかもしれませんね。
しかし、地元であってもなかなか手にすることができない珍しい商品の一つになっているのが現状で、素敵な品を手にされたのではないでしょうか。
週末に宮参りをされるそうで、フードに鶴の刺繍が入ったよだれかけとお守り袋などがセットになった「寿セット」も用意されて、お孫さんの誕生を祝うとか・・・
彼女の幸せ家族が目に浮かびます。
ご先方のお母様には、とてもお世話になったことをお礼申し上げます。
ありがとうございました。
どうか元気なお子さんに育つことを遠くからでうがお祈りしております。
ここでお宮参りの由来について書いてみたいと思います。
お宮参りは古来「産士詣り」と呼ばれ、子供の誕生を産士の神に感謝し、その子の成長を祈願したと故事に由来し、御所記などの古い文献に記録されているそうです。
かつてはお産が汚れたものだと考えられていたため、別名「忌明けの祝い」ともいい、産婦の忌明けと子供の氏子入りの儀式とを兼ねていたようです。
お宮参りと言われるようになったのは室町時代からといわれています。
お宮参りの時期については、地方によって30日目だとか、50日だとか、100日とかいろいろ言われていますが、まずは子供の健康状態を第一に考え、真冬や真夏などの厳しい日は避け、天候の良い時期や吉日を選び、体力が十分に回復していない母体への配慮も考えて日を選ぶことが大切かと思います。
当日は子供に新調された抱き着を着せ、フード(帽子)とよだれかけを掛け、その上からお祝い着(一つ身)を掛け着として着用します。
掛け着の着せ方は、祝い着を広げ、子供の背中をおおうように掛け、取り付けたある紐の他方を肩に掛け、他方を脇から通して抱き手の人の背中で蝶結びにします。
通常は祖母か近親の女性が子供を抱くとされています。これは、産後の母体を気遣ってのことと、お産を忌わしむ習慣の名残で、子供を潔(きよ)めるために母親以外の女性が抱いてお参りをしたものと考えられます。
難しい話になりましたが、どうか参考にされてみてください。
それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。

きものふくしまへのお問い合わせ

お客様のお見立て相談

きものふくしまオンラインショップ