♥ とにかく毎日が忙しい。
有り難いことですが、今年最後の感謝セールを控え、その準備にいち日の時間があっという間に過ぎてしまいますが、それ以外にも着物相談や着終わった着物のメンテナンス相談なども少なくなく、予定していたようには仕事が進まないものです。
おしゃれな着物コーディネートを紹介したいところですが、展示会の会場準備で気持ちに余裕がないこともあり、売場を触る前の映像を添付しつつも、香りだけでも味わっていただければと思ってアップしてみました。
さて、今日の話題はふくよかな体格をされたお嬢様が、加賀友禅の黒留袖をご支度してくださったのですが、その方の採寸をしてみたところ身幅がたっぷり必要であることが分かりましてね~
その寸法からは着物柄が合わないことを意味していて、ある方法から問題なく着れるようになった裏技を紹介したいと思います。
先に、お客様の寸法で仕立て上げた黒留袖をアップしてみます。
この映像をみたら着物として意味を持たないことがお判りいただけるかと思います。
あまりにも身幅が広いもので、友禅が入っていない黒の無地場に模様が描いてあることを想定して仕立ててもらった黒留袖です。
背縫いを中心にして両脇の個所に模様がありません。
これは想定内ことで、その後どうしたかといえば、こちらの黒留袖を描かれた友禅作家さんに模様が切れた個所を柄足しをお願いしたのです。
どうなることかと不安なところがありましたが、届いた黒留袖を拝見すると、どこに柄を足したのかが見分けることができませんでした。
見事な仕上がりです。
それがこちらの黒留袖です。
どこに模様を足したのか分からないでしょ・・・
これが加賀友禅作家さんの技かと思いますが、その出来栄えに驚かされました。
これでご自身の着物としてお召しいただけに違いありません。
このような仕事は手描き友禅だから成しえる技なんですよ・・・
それも加賀友禅だったからできたのかも。
これが量産品の型友禅だったら柄足しをすることはできなかったでしょう。
そして、この着物に合わせた袋帯も長さが足りず、お選びいただいたものと同じものを、長尺といって長い袋帯を織っていただいているところです。
どちらも時間を要するものですが、安心して着ていただけることでしょう。
力を貸してくださった職先に感謝です。
ありがとうございました。
私自身も着物専門店らしい仕事ができて良かったと思っております。
そして明日は母親の一周忌。
実家である福井県に向かいますが、午後の4時ごろからお客様の着物の見立てを依頼されていることから、明日は午後4時からの開店とさせていただきます。
それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。