♥ 今日から着物コーナーの模様替えです。
奥の特設会場は初売りに「一日限りの上質な振袖展」を開催することから今回も商品や備品の大移動。
明けても暮れてもこのようなことをしている気がしますが、久しぶりの振袖展とあって売り場作りにも力が入ります。
それもこだわりの振袖だけを集めての会となれば夢中になって当然で、一日中動き回って体力を消耗した気が致します。
今回の上質な振袖展は、お客様からお見立ての相談をいただいて品揃えをさせていただいたもので、パンフレットに載っているような振袖は一枚もありません。
力を貸していただいた仕入れ先に感謝しなくてはなりませんが、古典柄の振袖をお探しの方には見逃せない会ではないかと考えております。
例えばこちらの振袖は東京友禅の「大羊居(たいようきょ)」というブランドの品で、一握りの専門店でしかお目にかかれないものです。
制作はすべて手仕事で古典をベースに大胆なデザインがこちらの染屋さんの特徴で、模様の構図や多彩な色をひとつの着物としてまとめた華やかさに心が躍る振袖かと思っています。
まさに東の横綱といえるだけの技術力を兼ね備えた大羊居さんらしい着物です。
画像を大きくしてみました。
他の着物と色の使い方がまったく違うでしょ・・・
色ごとに筆や刷毛を使い分けているそうです。
上前や裾には江戸刺繍がなされていて、この刺繍も大羊居さんの伝統の技が光ります。
着物の世界で一流品といえるだけの技術力を兼ね備えた振袖かと思っていますが、近年はこのような振袖が極めて少なくなっていましてね~
なかなか手にできなくなっているんですよ・・・
今回は東京友禅に限らず、加賀友禅や京友禅の技術力の高い品を紹介させていただきます。
ご相談を賜っているお客様は年末にお越しになられる予定ですが、集めた商品がお正月の間、誰の目にも触れないで眠ってしまうことが我慢できなくて、初売りの3日に「一日限りの上質な振袖展」を企画したものです。
販促物は私のブログからの告知とホームページ、そして店頭に出した看板だけで心細い部分がありますが、振袖を準備されたいとお考えに方は、是非とも覗いてみてください。
セット商品との違いがご理解いただけるかと思っています。
明日からほとんどの仕入れ先がお正月休みに入ります。
ここ数日の間に仕入れ先の担当者と今年最後の挨拶を交わして戻って行かれましたが、或る担当者と着物談議になりましてね~
私より年上に方で、オリジナル商品を作っていらっしゃる京都のメーカーさんです。
その彼が私にこのような話を残してくれました。
「昔は着物は憧れの商品でした。それがいつのころからか、安売りやセット商品で買っていただくための仕掛け作りに気を取られて、大切な事を見失ってしまったところがあるのではないでしょうか?
他の店のことは気にせずに、着物に憧れを持っている人のためにも素敵な商品を扱うことが業界の発展に繋がるのではないでしょうか?」
私はそのようなニュアンスで彼の話を受け止めましたが、もっともっと着物の質や柄で、加えていうのなら着物の見立ての技でお客様が手に入れてみたいと思えるような素直な取り組みが求められている気がします。
「憧れの着物」を取り扱える店になりたいですね。
それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。