入卒市場に着物業界の未来が隠れている・「役立つ店って何だろう・・・」

 私の地域に呉服店が少なくなり、呉服店と繋がりの薄い着物初心者が着物を着ようと思ったときに、不都合なことがあれば気軽に相談していただける扉を持ちたいと考え、和装小物や着物のメンテナンスにも適切な対応できる環境を整えておきたいと考えています。

特に春先は入卒などで若いお母さんが着物を着られる方が多く、使用前使用後に着物の扱いに戸惑うことが少なくないかと思うところがあり、ネットなどで情報を発信しながらこの店の役割をご理解いただけるように心がけています。

それは単に物売りをする行為ではなく、着物に袖を通す側から視た「役立つ店」の姿でなくてはなりません。

そして、そこには目に見えない一つの考えがあります。

それは、若い年代層や着物初心者と関わりを持ちことで、呉服店さんや着物に対してどのような不満を持っているか知る機会でもあり、また、丁寧に接客することで、着物に対する理解を深めていただける切っ掛けともなれば、新しい着物愛好家が増えるのではないでしょうか?

業界人として、新しい着こなしを伝えていくことは大切な仕事です。割引や特典を付けて販売努力をすることも店作りに必要なことなのかもしれませんが、片方で、着物初心者に対して優しい店を築くことができないと、地域の中で呉服店があることの意味がない気がしてなりません。

とても面倒で気の遠くなる取り組みかもしれないが、田畑を耕し実を育てる意味でも、この部分をきちんと押さえておかないと呉服店に人が戻ってこないのではないでしょうか?

それが、いつの日か着物市場のすそ野を広げるものになったとしたなら、どんなに素敵なことか・・・

そのような考えが私の中にありましてね~

実を結ぶか判りませんが、毎日、着物のお直しや着終わった着物や帯のメンテナンスの相談が後を絶たないことを思うと、田畑を耕している気持ちになれます。

この店の未来を担保できるものでないかもしれませんが、その中の一人が、いつの日か着物愛好家になってくれるものと信じて対応しております。

DSC_0004kannzasi.JPGその意味でも、入卒に着物をお召しになられる着物ファンを大切にしたいし、小さな金額からおしゃれを探れる店作りに力を注いでみたいと思っています。

CSC_0002kimonobaltugu.JPGまだまだご理解をいただける店とはいえませんが、信念を持って量販店との違いを打ち出せる店を作りたいと考えているところです。

それは私にとって「宝探し」をしている行為なのかもしれませんね。

それではこれにて・・・

お休みなさい。