着終わった後の「着物のお手入れ」・入学式が終わった後の着物メンテナンスをお忘れなく

 桜も満開で温かな日となり、桜並木の下で写真を撮る人の姿を目にしましたが、明日はこの地域にある小学校の入学式です。

絶好のロケーションとなり着物を着られる方も多いようですが、天気が崩れるみたいで、他人事ながら気になっています。

DSC_0020tukesagewoko-dhine-to.JPG小さなお子さんがピカピカの学生服を着て、お母さんが着物で付き添う入学式って、晴々していてとっても素敵だと思います。

晴れて子どもが小学校に入学するとなると、その意気込みはビッグイベント的なものがあり、晴れ舞台に着物を着装される行為が敬意を表す姿であると考えていらっしゃることに、着物を扱う側として、この上なく嬉しく思うものがあります。

冠婚葬祭おいて着物が軽視されがちな中で、入学式を着物で迎えたいと考えていらっしゃる若いお母さんの心の内を私たち業界人は真摯に受け止め、優しく関わり合いを持てる店を築いていかないといけませんね。

そこで今日のお話は、入学式などで着終わった後の着物のお手入れについて書いてみたいと思います。

着物が着慣れていない方にとっては、着終わった後の着物にたたみ方も分からないでしょうし、着物の洗濯も何をどうすればいいのか判断ができないのではないでしょうか?

だからと言って、適当に片づけてしまうと、後に大事になることが考えられます。

なので、メンテナンスを怠ることがあってはなりません。

着物を汚さないように着ていても、汚れが付く個所がいくつかあります。

まず考えられるのが衿で、ファンデーションとか汗ジミです。

他にも帯を締めた付近の汗といのも危険を含んでいることを頭に置いておいてください。
特に素肌に近い長襦袢の汗取りは必要であると考えています。

また、シミというものは気づかない間に付くものです。

なので、点検が必要かと思いますが自己判断が難しく、できれば専門家に見てもらうのがベターな選択かと考えております。


これらのことを総合的に考えると、きもの初心者には手に追えるものではありません。

紙袋に押し込んだ状態でもいいので、専門家がいる店に持ち込んで相談されることをお勧めします。

多少のコストがかかりますが、安心が担保できると思えば気持ちよく片づけることができるのではないでしょうか?

参考までに着物のシミ取り法と対策を書き記してみました。

  -着物のシミ取り対策法ー

◆衿の汚れを取る
 化粧品などで汚れやすい衿周り。多くが油性の汚れのため、ベンジンを使って家庭でも落とせますが、心配な方は専門家に任せると安心

◆抹茶のシミを落とす
 抹茶は生地が染まりやすい汚れですが、専門家に依頼すればきれいに落ちます。

◆赤ワインのシミを落とす
 赤ワインの成分の中のタンニンは、草木染めと似て生地が染まりやすく、つくと難しいシミといえます。一刻も早くプロのお手入れをお勧めします。

◆帯についたコーヒーのシミを落とす
 コーヒーのシミは水溶性。洗剤で洗って落としますが、牛乳や砂糖が入っていると処理が変わります。付いたら早くシミ抜きを。

◆時間がたって変色した頑固な黄変ジミ
 多くのシミは時間がたつと黄や茶色に変色し、生地に定着して、シミを落とせない場合があります。そのときはシミと一緒に地色を抜いて、元の地色と同じ色を調合して塗って直します。多少手間がかかりますが、多くのものは元のように戻りますので、あきらめないで専門店に相談を。

◆カビを落とす
 軽いカビは丸洗いで落ちますが、繊維の中にカビ入り込んでいる場合は、洗い張りと除菌処理をお勧めします。

◆カビによる斑点状の黄変ジミ
 長い間保管していた着物にみられる斑点状の黄変ジミは、カビが原因。シミと一緒に地色を抜き、同色を使って塗って染色補正します。

ここに書かれている丸洗いとは、洋服でいうとクリーニングみたいなもので、ご自宅でできるものではないことを承知しておいてください。


聞きなれない単語が多くあるかと思いますが、難しく思わないで、専門家にメンテナンスを依頼することです。

当店も着物メンテナンスを請け負っていますので、よろしければ気軽に相談してみてください。

お見積りをさせていただきます。

話は変わりますが、来る8日(金)は京都の仕入れ先で消費者を対象にした展示会があり、関西方面のお客様がお越しになられることから京都へ向かいます。

以前にこのブログでご案内を入れていますが「花成り会」と称するものです。

京都近辺の方でご都合が付く方がいらっしゃれば、「花洛庵」という会場にて展示会が開かれているので立ち寄ってみてください。

今回はこの会のために用意された「聞香」をお客様と楽しむ予定でいます。

それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。

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