今日はご当地石川県で作られている加賀染浴衣をコーディネートしてみたのでご覧ください。
加賀染め浴衣は加賀小紋を染めていらっしゃる日本工芸会正会員の坂口幸市さんとそのご子息が手掛けられた品で、わずかの量しか染められていません。
なので、県内で取り扱いのある店はほんの一握りで、目に触れることの少ない浴衣地といえます。
最初に水色にピンクと白で文様を起こした蝶の柄に、夏の単衣帯として作られたピンク系の紗織浴衣帯を合わせてみました。
綺麗な装かと思いますが、浴衣らしくない上品さがあって他のブランドゆかたとは趣の違うものです。
着物を染めていらっしゃる坂口さんの技かと考えていますが、若い方がしとやかにお召しになると素敵でしょうね~
浴衣帯は絹の博多織で、メダカが泳いでいるところなどはおしゃれかと思っております。
このコーディネートは20代前後の方を想像して組み合わせたものですが、帯の色を変えれば、30代の方も袖を通すことができる浴衣地ではないでしょうか?
また、夏の名古屋帯合わせると夏着物にもなるもので、素材は綿絽といって夏対応の綿100%の生地を使っています。
それでは、名古屋帯を使ったコーディネートをご紹介してみましょう。
これも坂口さんが染められた麻の葉柄の加賀染浴衣で、麻素材の江戸紅型の染帯でコーディネートしてみました。
着物柄に使われる文様とあって、これが浴衣地だとは思えないほどに高級感があって素敵でしょ・・・
素材は先ほどと同じで綿絽を使ったものです。
こちらのコーディネートに夏の帯〆帯揚げを合わせてみましょう。
帯〆には紫の矢絣柄を持って来て、カジュアルな雰囲気を演出してみました。
そして、着物も帯も模様がいっぱい詰まっていることから、無地感の絽縮緬の帯揚げを入れて一呼吸って感じで組み合わせたものですが悪くないでしょう。
これらの着物には坂口さんの落款(らっかん)が入っていて、浴衣でありながらも夏着物としても着れる特徴を生み出していて、坂口さんの成しえる技かと考えています。
気になるのがお値段です。
量産ができない浴衣なのに、手にできやすい価格を設定していて、バチ衿でオーダーメイドのお仕立てを加えると、税込51,800円のお値段となります。
おそらく県外で見かけることがない加賀染浴衣かと思いますが、関心をお持ちになられるようでしたら他の柄も用意しておりますので気軽に相談してみてください。
さて、話題が変わりますが、今日も仕入れ先が数件店に寄ってくれました。
そこで驚く情報を入手しました。
京都の或る問屋さんがレンタル着物に対応するシフトに変えたことを聞きつけましてね~
情報源は定かではありませんが、レンタル着物の需要が伸びていることから、新しい分野を開拓するための方向転換かと考えられますが、供給先は呉服店なんでしょうか?
それともレンタルショップなのでしょうか?
アンテナショップを出店することも考えられますが、この情報が事実だとしたら、私たちの業界に一石投じたことになります。
呉服店さんがレンタル着物を始めたというのなら話なら解るが、全国にお得先を持つ問屋さんが始めたとなると、これはいったいどういうことなの?
取引のない問屋さんだけに、噂に尾ひれが付いたものではないかと思っていますが、私たちの業界が混迷していることだけは確です。
経営が川下にいらっしゃる消費者に向いているとは言いにくいところがあり、失望感を感じつつも間違いであって欲しいと願う私でした。
それではこれにて・・・
お休みなさい。