ラストオーダーとなってしまった古布使用の来年の「干支飾り・酉(とり)の置物」

 私たちが扱う商品は年々創れなくなることがあっても、新しいものが増えにくい業界かと思っています。

後継者不足や需要の減少などもあり、皆さんの見えない世界で慣れ親しんだ仕事から離れていっている人が絶えませんが、今月を持って廃業される仕入れ先がありましてね~

その仕入れ先は、京都で古い着物生地を使って創作小物を作っている小規模経営の会社です。

 

DSC_0006etonokazarimonotori.JPG例えば古布を使って創作した干支の置物もその一つで、供給していただける仕入れ先がなくなるかと思うと無念でなりません。

そこで、こちらのメーカーさんの干支の置物を十二支集めていらっしゃるお客様に、その事をお話すると、来年の干支になる酉年の品を作っておいて欲しいとのご要望があり、季節的に急ぐものではありませんでしたが、その商品が店に届きました。

その商品の中に、干支の置物に限り7月までにご注文をいただけるものであれば、お受けしたいとのメモ紙が添えてあったもので、気の早い話ではありますが紹介してみたいと思います。

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こちらの雄鶏は紋付に袴姿のもので、袴は織物の生地を使ったものです。

赤の座布団は絹使用のもので大きさは15㎝角となり、雄鶏は17㎝の高さを持つものです。

お値段は税込14,700円

DSC_0011menndori.JPG雌鶏は振袖を身に付けていて、古い着物生地をミニチュアであっても振袖らしく見えるように工夫されてものです。

古布だけに同じものを作ることができませんが、お値段は税込17,850円となります。

DSC_0007etonokazarimonotori.JPG後ろ姿はこのような感じになります。

お客様のご注文は男女一対のものでしたが、単品でも承ることができますので、ご注文を受け付けたいと考えています。

同じ着物生地の使用は難しいかと思いますが、古い着物生地をたくさん持っていることから、期待を裏切るようなことはないでしょう。

DSC_0008etonokazarimonotori.JPGとにかく、ラストオーダーになることだけは確かです。

他にもさまざまな分野で物が作れなくなっていて、価格競争の激化が物作りの職人さんを苦しめている側面があるのではないかと思っています。

一方で素材や技術の高さが見分けられない人が少ないだけに、取り扱う側も苦慮するところがありましてね~

噛み合わない現実に心を痛めます。

すべてにおいて消費者に最も近い小売店の責任が重いと考えていて、商品を育てる努力と信頼と安心を得るための関係性を高めていかないと、価格競争の中では生き残っていけないのではないでしょうか?

各々の仕事の分野で誇りを持って、家業店の底力を見せつけたいものです。

そして作り手の気持ちも理解しつつ、私たちが取り扱う商品の価値と魅力を伝えていかないと、業界の衰退はいつまでたっても留まることがないでしょう。

私たちの意識改革が望まれていると言えるのかもしれませんね。

それでは、今日はこれにて・・・
お休みなさい。