心が揺れ動いた涙市も終わり今日はその後始末。
それは商品や備品を片づけて普段通りの売り場に戻すことなんですが、これがとても面倒な仕事でしてね~
何から手を付けたらいいのか混乱するくらい、店内は乱れに乱れ、お客様を迎え入れられる状態ではありません。
それでも、明日の夜は着付け教室があるもので、商品で埋まっていたスペースを開けなくてはならず、ひたすら地味な仕事に明け暮れていました。
しかし、お客様のお越しになられていましたし、馬力も失っていて一日で終えることはできませんでした。
会の開始前の疲れに本番の疲れ、そして後始末の疲れと、同じ疲れでも質の違うものになっていて、貧乏暇なしとは私のことを言うのでしょう。
そんな折に数件の仕入れ先が店に来ていたのですが、近況を聞くと、明るい話題を聞くことができませんでした。
着物がけん制される夏場とあって致し方ない部分もありますが、ネット事業に特化している店や振袖レンタルの店も苦戦していることを聞くと、和装マーケットの潮の目が変わり始めているのでしょうか?
少なくとも、きものレンタルやリサイクルショップが店舗数を増やしていることを考えると、安価な価格帯のものは底なし状態になっていて、その流れに踏み込んだ店は立ち往生しているのかもしれません。
一方でその流れは着物の価値と価格を低下させるものになっているのでしょう。
その空気が着物マーケットに感染症みたいな感じで忍び寄っていて、着物専門店さんと着物初心者との距離を益々広げているとしたら穏やかではいられません。
来客が少ないことや、質の高いものが動いていないことを思うと、つい、余計なことを考えてしまいますが、ここ数年のお客様のお買い物を見ていますと、安心できる本物志向の考え方に変わって来ている感じがします。
そのことは何を意味しているかと言いますと、着物の良し悪しを判断できる消費者が少なくなっていて、お財布に負担のかからない着物マーケットに足を踏み入れる人と、着物のことが分からないから安心が買える店で安心できる品物を買う人との、着物に対する価値観の違いがハッキリしてきたのではないでしょうか?
どちらも着物愛好家で、どっちが正しいとか間違いというものでもありません。
趣味の違いだけで、私たち売り手側がどちらを選ぶかだけのことです。
この部分を押さえて店作りを続けて行くことが肝心なのでしょう。
和装業界は、一味違った業態の店に話題をさらわれていて、古い体質を引きずる呉服店からすれば、時代が変わったと感じさせられるものになっています。
しかし他人の畑が良くなって見えるだけのことで、安心が買える店を探している人が山のようにいることを心に留めておかねばなりません。
その上で、何ができるのかを突き詰めていくと、店に欠けているものが見えて来るのではないでしょうか?
それは仕入れ先やお客様の信頼関係かもしれませんし、
きもの知識や美的感覚かもしれませんし、
行動力や継続する力や諦めない力かもしれませんし、
揺るがぬ信念かもしれませんし、
知恵と資本力の関係なのかもしれませんし、
ネットを生かした戦略かもしれませんし、
着物に対する愛情なのかもしれませんし、
考えれば、まだまだ気づかされるものがありますが、作り手も小売店も少なくなり、マーケットが小さくなる中であっても不安を掻き消す考え方を持ちたいものです。
それが一歩進んで二歩後退したとしても、もう一度、踏み出す力になる考え方を持ちたいです。
そのことを自分に問いかけて、今日を閉じることとします。
それではこれにて・・・
お休みなさい。