昨午後3時過ぎに駐車場の雪かきを終えて店内に入ったのですが、胸の中で呟く言葉はこの一言。
「疲れた-」
それ以外何も出てきません。
昨夜も雪が降り続き、気温も低かったのでしょう。
窓ガラスには吹き付けた雪が凍っていて、外の様子を見届けることができません。
朝のワイドショーは、日本を襲った寒波で立ち往生した様子を伝えていて、今日も仕事にならない予感がしました。
しばらくして、店のスタップから雪で車を出せる状態ではないので、仕事を休ませて欲しいとの電話。
その後にも娘からも同じょうな電話が入り心は決まりました。
「なんとしても雪をすかして駐車場の確保をするぞ~」
そのことに徹したいと思って、自宅の雪すかしを済ませてから店へ向かうと唖然とさせられました。

店の前
降り積もった雪で車が店に入ることができません。
近隣で車を仮置きできるスペースを見つけ、そこから今日の一日が始まりました。
店の入り口で、何処から始めたらいいかを仁王立ちになって考え、駐車場を確保することを優先して、昨日に引き続き老体にムチ打って雪との格闘することに・・・
心構えは、道を切り開く商魂みたいな気持ちを持つことだと言い聞かせ、黙々と雪をすくっては、店の前を流れる用水へと雪を運ぶという単純な作業の繰り返し。
それは根気と体力との勝負で、お客様にご不便がない事だけ考えての作業です。
そんなことを数時間繰り返していると、店の前を道なりにゆっくり走る一台のユンボが・・・
運転手と目が合うと、「駐車場が広いから大変ですね~。綺麗にならないと思うが、このユンボで雪をどかしてあげようか。」と、顔見知りでもない私に声をかけてくたおじさんがいましてね~
渡りに助け舟とは、このことです。
「お願いしてもいいですか?」と、言葉を返すと、ハンドルを切って、手つかずの雪を邪魔にならないスペースに押しやってくれたのです。
それも何度も何度も・・・
みるみるうちに駐車場のスペースが空いて感激させられました。
雪すかしの時間が短縮できたかと思うと、こんなに嬉しいことはありません。
何か感謝の気持ちを伝えなくてか・・・
店に駆け込んで、お客様から分けていただいた「ようかん」を手にして、後で召し上がっていただけたらと、手渡しましたが、本当に有り難かったです。
大雪になると、除雪の仕方でお隣さんと険悪な仲になったり、住宅地にブルドーザーが入り、家の前にどっさり雪を置いていったと不満を漏らす方が必ずといって現れます。
今朝もそんな声を耳にしましたが、真逆の行為に心を豊かにすることができました。
大げさかもしれませんが、現実を受け止めて一生懸命前を向いていると、予期せぬハッピーな出来事に巡り合うものです。
例えば、それが苦難の道に現れた善意の行為を持ち合わせた人だったとしたら、足長おじさんやマリア様に思えるのではないでしょうか?
ハンドルを切ってくれた瞬間に、そのような気持ちが湧き上がりました。
そこで大切にしたいことが、善意の行為に甘えるだけで終わってはならないということです。
それは、次は自分が足長おじさんになることです。
私たちの生活は自分中心で、困っている人を見かけても見て見ぬふりをして、なかなか近づけないものです。
夫婦間でも、親子関係でもあり得る話で、「大丈夫、何かできることがあれば手伝うよ!」、その一言だけだとしても、元気をいただけるのではないでしょうか?
そのようなことを思って記事を書いていたときに、息子から、雪、大丈夫かの電話。
明日、時間が取れたら除雪の手伝いに向かうとの用件でした。
そして、その数分後に、長女からも雪を心配する電話が入ってきて、二人とも店のことを心配してくれてるのでしょう。
閉店間際のことでしたが、嬉しく思いました。
またもや、外部から元気をいただくことになりましたが、いつでも足長おじさんになれる人間であれたら、もう一人の自分が納得することができるのですが・・・
そんな問題意識を持って人間社会と交わりたいものです。
息子の話では、この雪で交通渋滞が起きていて、仕事に影響が出たようです。
給食弁当を取っている会社からも、今日と明日の二日間、臨時休業させていただきたいとの電話がありましたが、数年ぶりに襲った寒波は、仕事や生活を狂わすものになっています。
予報では峠は越えたみたいで、寒波の爪跡が残りそうですが、明日は平常に戻るのではないでしょうか?
連日力仕事をしていたもので、サウナにでも入って筋力の疲れを取りたい気分でいるところですが、凍結した路面と駐車場のことを考えると、静かに家で体を休めた方が得策なのかも・・・
この二日間、仕事からから離れることになりましたが、仕事では味わえない体験ができて無駄ではなかったと思っております。
寒波に感謝かな~
それではこれにて・・・
お休みなさい

はじめまして。きものふくしま店主福島正弘です。
石川県、金沢市のお隣の白山連峰が見えるところで着物と和雑貨を販売しております。
着物和装に携わって約40年。県内外問わず、全国の着物ファンの方々から様々な相談を受けております。
店主の紹介をさせていただきます。
昭和30年、福井県に生まれる。 昭和48年に京都の染屋で修業を積み、その後昭和51年に石川県の呉服店へ勤務。着物の世界に触れながら「いつか自分のお店を持ちたい」という夢を抱き続け、昭和61年に 「きものふくしま」 を創業しました。
創業当初は無店舗での経営からスタートし、10年目に念願の店舗をオープン。以来、着物ファンを増やすことを使命に、お客様とのつながりを大切にしてきました。
- 情報発信への取り組み 25年前から四季を楽しむ情報紙『あ・うん』を毎月発行。 20年前からは毎日ブログを更新し続け、新しいお客様との出会いを広げています。
- 技術と経験 約40年にわたり呉服業界で培った確かなコーディネート力には自信があります。お客様一人ひとりの個性を引き出し、着物をより身近に楽しんでいただけるよう努めています。
「きものふくしま」は、着物を通じて人と人を結び、四季の彩りを楽しむ暮らしを提案し続けています。
- 法人番号: 8220002000118
- 法人名: 有限会社きものふくしま







