午前中に雨が降り幾分涼しくなるかと思いきや、雨は大地を濡らす程度で厳しい夏が戻ったかのような日差しと蒸し暑さ。
お客様を見送る際に店の外に出て見ると、厳しい天気であることがよく分かります。
暑さで体力を消耗するところがあるかと思いますが、くれぐれも熱中症にお気をつけ下さい。
お盆でお客様が少ないかと思っていましたが、意外とお客様の多い一日でした。
或る仕入れ先の担当者は、新規のお客様がなかなかお越しいただけないのが路面店の呉服店さんだと話していましたが、この店には初めて訪ねてくださる方が少なくありません。
足袋や半衿を買いに来られる方や、着物のシミ抜きや仕立直しのご相談もあれば、着物の見立て相談などもあり、ご遠方からもお越しいただけるようになりました。
昨日も能登半島の七尾市から、ご実家に戻られた帰り立ち寄って下さいました。
そのお客様は数年前にお嬢様の振袖のお見立てのことでご相談をいただいた方です。
それ以来、年に一二度お越しいただけるようになりなりました。
お客様は私の店をとても信頼してくださっていて、店で分けてもらった商品は品質が良くてとても使いやすいし、センスもいいし安心できるものであると言ってくださるんですね~
最高の褒め言葉で有頂天にさせられますが、ご自身が履いていたっしゃるヒール下駄をお友達が欲しいと言っているので、その商品を見に来たというのです。
お友達にお目当てのヒール下駄を写メールで確認を取ってお持ち帰りになられましたが、それがとても嬉しくてね~
今日は浴衣帯の変わり結び方を私に見て欲しいと言って、帯を持ってお越しになられたお客様がいらっしゃいました。
あいにく私一人で、目の前で帯を結びながら、昔分けてもらった浴衣帯がとっても使いやすくて、緩んでこないし帯の形もしっかり作れて重宝しているのよ~
それは絹の博多帯で、出会ってお取引が浅いときに手にしていただいた商品でした。
とても褒めてくれるもので、つい、”いいものはいいでしょ・・・”と言葉が出てしまいましたが、お客様の表情から店を信頼してくださっている様子がうかがえました。
適切なアドバイスができただどうか不安が残りましたが、その後、店に出したばかりの手描き秋のれんを選んでくださいましてね~
他にも新規でお越しになられた方や、馴染みのお客様も来ていらっしゃいましたが、信頼って、この店と関わりを持っていただいた後に生み出されるもので、その好感度が高ければ次の来店も臨めますし、印象が悪ければ店から遠のくのは明らかです。
それは、お友達にもお話をされるだろうし、お客様との出会いは店の明暗を分ける瞬間ともいえるでしょう。
特に初めての方は、遠巻きに店の様子を見ていて、絶え間なく変わるウインドーであったり、立て看板から店の性格を知ろうとしているのではないでしょうか?
私の店はその事を絶やさないから、新規の人に興味を持っていただけるのかもしれません。
そこで次に大切にしたいことは、安心できるセンスのいい商品を取り揃え、適切な価格で紹介することかと考えています。
そこには専門知識と見立て良さも付いて廻りますが、これらのすべてに”信頼を育てる根っ子”があって、自分の仕事に誇りが持てる立ち振る舞いができたらと思っております。
そんな地味な積み重ねが、常識とセンスの分かる人に指示していただける店へと変わっていくのではないでしょうか?
私はお客様の笑顔から、そのように読み取っております。
何が正しくて繁盛店になれるかは店の立つ位置で変わるのでしょうが、とにかく信頼を得るまでには長い時間と理に叶った努力がいることを自分に言い聞かせたいです。
この画像は附下を反物から模様を合わせて袋帯でコーディネートした画像です。
皆さんが目にする友禅とはひと味変わっていて、模様の輪郭を取らずに、いきなり手描きで模様を染めていく無線描き友禅というものです。
柔らかなタッチが優しく目に焼き付いているのではないかな~
四季のお花を描き込んでいて、その背景に地色を替えたボカシ染めまで加えたボリーム感のある手のこんだ附下です。
若向きの着物ですが、清楚で優しい雰囲気は他の着物では見当たらない清潔感がありあす。
箔も縫いも絞りも入っていない、筆先だけも技に心ときめくものがあり、ここに紹介してみました。
そして合わせた帯は、松竹梅の吉祥模様が規則正しく並び黒地の帯で、ホンワカした着物柄にはこのようなスパイシー感のある品も悪くないと思っています。
着物と帯に無いものを一つにまとめたコーディネート一かと考えていますが、好みが別れるところがあるかもしれませんね。
参考にしていただけらた幸いです。
さて、明日14日から16日の3日間はお盆休みとさせていただきます。
ご迷惑をお掛けするかもしれませんが、その一日を庭の草むしりに当てたいと思っているところです。
通常営業は17日(金)からとなりますが、私にとって3日間の休みがパワー充電になるものになればいいのですが・・・
それではこれにて・・・
お休みなさい。