6月が動き出しました。その始まりは京都出張から始まります。
いつものように朝9時前に京都に入り、お取引をさせていただいている仕入れ先を順番に訪ねて歩くわけですが、長引くコロナ禍で京都入りしている同業者が少ない感じがしました。
そのコロナ禍は物作りをしている仕入れ先にも影響を及ぼしていて、6月は夏物の需要期なにのに夏物があまり作られていないんですね~
そればかりか、いろんなものが値上がりしていて、風呂敷のメーカーさんは9月から価格改正をすると話ていましたが、ぞうりや帯〆帯揚げ、長襦袢、拾い出したらキリがないくらい、それぞれの仕入れ先で値上がりしていたり、値上げをするとのことでした。
一方で、何処よりも早く令和5年の干支になる「うさぎのお正月飾り」を発表した仕入れ先がありましてね~
先に注文を取ってしまいたいとの思惑があってのことだと思いますが、6月が始まったばかりで、お正月飾りにピントを合わせることができません。
7月になれば数社が干支飾りを発表するので、商品を見比べることが出来ることから、お正月飾りの注文は翌月にさせていただくつもりでおります。
このような雑貨品は、多くの場合、材料や生産を海外に頼っていることが多く、「コロナ」、「ロシアの軍事侵攻」、「円安」、「日本と中国の関係」など、様々な要因が複雑に絡み合って安定供給ができなくなることが起きるかもしれません。
とにかく不透明な社会になっているだけに、その中で店作りをしていくことが年々難しくなっています。
そのような問題意識を持って仕入れ先を廻っていた時のことです。
裏地専門のメーカーさんを訪ねると、奥に専門外の商品を目にしましてね~
「なんだこれは!!!」
手に取って見てみると、それは「木綿のこどもきもの」だったんですね~
新しい需要を開拓したいという想いから、木綿の生地を染めて国内で仕立てをし、新しい発想で組み立てたこどもきものだそうです。
木綿の生地は肉厚でゆかたとは全く異なり、長襦袢を身に付けなくていいように、長襦袢の衿のように見せたものをホックで取り付けられるうに、カラー衿が何色が別売で用意されていて、帯はリバーシブルの綿の兵児帯が何色かあり、綿の子ども幅の半幅帯も用意させていましてね~
他にも感心させられたのは、こどもきものの寸法が「S」・「M」・「L」の表示になっていて、縫い上げが3段階してに分けて肩上げと腰上げがしてありまして、お子さんの成長と共に縫い上げを下ろして着るきものになっているんですね~
この画像は「L」となり、
購入時は縫い上げをした状態で120㎝ (対象年齢/6歳半~8歳)の着物の長さになっていて、
縫い上げを一つ取ると着物の長さは130㎝ (対象年齢/8歳~9歳)になり、
更に縫い上げをもう一つ取ると今度は140㎝ (対象年齢/9歳~11歳)となるものです。
その肩上げと縫い上げを下ろすときに、間違いが起きないよう、3種類の糸で分けてあるんですね~
細かなところまで気遣いがあって、とても驚かされました。
こちらのモノトーンの木綿きものも「L」で、同じように3段階の縫い上げをした120㎝丈の着物になります。
それだけではありません。
寒い冬場のことを考えて、羽織ではなくて「ポンチョ」を新しく作っていたんですね~
それもフード付きというから、憎いではありませんか。
そのポンチョは滑りが良くなるようにと裏地が付いて袷仕立てになっているではありませんか?
とにかく至る所に工夫がしてありまして、これまでの子ども着物から脱皮した木綿きものに衝撃がありました。
一つ残念なことは、大量に作った品でないために、現品販売となり注文が取れないんですね~
仕入れ先も初めての試みとあって、何処まで仕込んでいいものかの判断ができなかったのではないかと想像しています。
私はとても気に入っていて、8月に七五三きものの特集を考えていますが、その時にご紹介できればと考えています。
久しぶりに心が高鳴り、お客様の反応が良ければ店の強みに変えていきたい。
そんな気持ちにさせられたでした。
それではこれにて・・・
お休みなさい。