【店主の呟き】
2月の京都は夏物が一斉に発表されることもあり、仕入れ先は何処も活気があったように思います。
特に東京・竺仙が年に一度、京都で新作浴衣を発表することもありまして、西日本のきもの専門店さんが集まっていたのではないでしょうか。
私は先月、竺仙さんの新作浴衣を浅草で注文させていただきましたが、京都でも開かれるのであれば、見直しをするつもりで、もう一度拝見させていただきました。
会場は江戸小紋と浴衣は半々に分かれていまして、熱気があったのは何といっても新作浴衣です。
東京で見分けた品を数点変更させていただきましたが、追加した夏物もあったりして私としては納得できる浴衣が準備できたのではないかと思っています。
【竺仙の本藍染め/長板中形】
新しく追加させていただいた商品の一つが、映像になる紺藍染めの「長板中形」で、こちらは注文生産ではなくて、現品を抜いていくものになります。
他の浴衣は注文が入った数だけ、今から竺仙さんの織先で染めて専門店さんに納めるこという流れになります。
なのでこのときに注文を入れておかないと、こだわった商品を店頭に出すことはかなり難しくなると考えています。
だから新作浴衣の場に全国からきもの専門店さんやデパートのバイヤーは集まって来るんですね~
言葉を替えるなら、やる気のある呉服店さんが全国に何件も存在しているということです。
今日は他の仕入れ先からも夏物を仕入れていて、支払いのことを考えると心配になりますが、強気で夏にチャレンジしたいと思っています。
【ウイリアムモリスと永治屋清左衛門のきもの】
そしてこちらの映像は、この4月に卯月の会で取り上げたいと考えています「永治屋清左衛門」というきものブランドの織物のきものになります。
これがとっても素敵なんですね~
生地にほどよい光沢と立体感があって、光と影を見事に表現した着物かと思っています。
グレー地の小紋といえる風合いを持ち合わせていて、模様をウイリアムモリスの絵画から、柳を模様として活かして織り上げたものだと聞いております。
手に持って風合いを確かめていただけないのが実に残念ですが、織物なのに小紋や付け下げなその染物の生地のしなやかさを持ち合わせていて、その訳を担当者に尋ねてみると、エルメスも使っている最高級の絹糸とされる「A6」の糸で織っているからだそうです。
他社で「永治屋清左衛門」のブランドに似た織物の着物を織っている先がどこにもないこともあって、卯月の会で取り上げることとしたのですが、このメーカーさんは文化庁から復元品の製作を頼まれることがしばしばあるそうで、次に紹介させていただく「束帯(そくたい)」もその中の一つではないかと思って、写真を撮らせていただきました、
【束帯(そくたい)】
こちらの赤いお召しものが束帯(そくたい)となります。
別名を、縫腋袍(ほうえきほう)と言うそうです。
ここのメーカさんの技が活かして復元したお召し物かと思っていますが、こちらも染めたきものではなくて、織物なんですね~
束帯の説明書きが添えられていたので、ここに大きくしてみました。
しかし文字が分かりにくいので、ここに書かせていただきます。
最も式正な装束の組合の姿を束帯(そくたい)とよび その上着が袍(ほう)です。
さらに身分が高い方のお召しになる上着が縫腋袍/ほうえきほう)です。
冠位などにより色目が決まられています。
綾地の二倍織物で織りあげました。
半分分かったようで半分分からない昔の上流階級のお召し物で、様様なルールがあったようでもう少し私が勉強しないといけないと思っています。
今日は永治屋清左衛門さんの会社で展示会に打ち合わせなどもしてまいりました。
会が始まるまで清左衛門さんのきもの情報を書かせていただきたいと思っているので、ご一緒に勉強できる場を準備できればと考えているところです。
随分遅くなってしまいました。
書き足りないことが山のようにあっても、ここで終わらせていただきます。
ではこれにて・・・
お休みなさい。