蒔糊で染めた梅柄の絵羽長羽織・そして4日間の「帯展」を振り返ってみて

絵羽梅柄の長羽織

4日間の神無月の会が本日の午後7時をもって幕を下ろしました。

その間に足をお運びいただいたお客様には心より御礼申し上げます。

ありがとうございました。

 

今回の会を振り帰ってみて、お客様で賑わったとは言いにくいところがあり、目標としていたところまで届くことはありませんでした。

 

 

【加賀友禅訪問着】

 

 

加賀友禅訪問着
加賀友禅訪問着

 

その要因の一つとして、会の打ち出し方があったかと思っています。

今回は「帯展」と称して、カジュアルな装いにこだわっていたところがあり、加賀友禅訪問着などのフォーマル系の高額品が動かなかったことがあります。

 

一方で岡田その子さんの型絵染の帯を中心とした紬や小紋などは評判が良かよくて、点数が動いたものの着物と帯をコーディネートして準備されて方が少なく、着物や帯を多く持っていらっしゃるきもの愛好家の会になっていたところがあったように感じています。

 

そのことが売上面での結果に大きな影響が出ていた気が致します。

違った見方をするなら、着物を着て楽しみたいと思っている方が店に寄ってくださっていたことを考えると、喜びとして受け止めている次第です。

 

今回の会で問題を残したのは、数字という結果以上に、新規のお客様が非常に少なかったことをとても重要視していましてね~

 

店の提案力が足りなかったのか、それとも着物に関心を持たない方が増えているか、知らず知らずの内に入りにくい店になってしまっているのか、よく分かりませんが、電話やメールでの問い合わせも含めて新規客との関係性がとても弱かったことが気がかりで仕方ありません。

 

何か大切なことを見失っていないかと考えさせられていますが、これからの店作りの大きなキーワードになっていくことは確かで、そのことにも目を向けて行きたいと思っているところです。

 

店の企画を終えるごとに、この店の「強み」と「弱み」がオセロゲームのように入れ替わりますが、その一つ一つの駒に注視しながら、駒の置き方を考えて行かなくてはなりません。

 

それは「お客様のお役に立つことが出来ているのだろうか」
その目線からお洒落にこだわることができたなら、この店の存在価値が高まっていくものだと信じたいです。

 

 

【蒔糊の梅柄絵羽長羽織】

 

 

 

絵羽梅柄の長羽織
絵羽梅柄の長羽織

 

今回は「帯展」ということから、岡田その子さんと職楽浅野さんの帯にこだわっていましたが、これまでの古典柄を多く取りそろえていまして情報を出し来ることができませんでした。

 

この画像にあるのは、蒔糊の絵羽になった梅柄長羽織で、礼装用長羽織と言えるものです。

以前はこのような羽織が多く作られていましたが、近ごろメッキリ少なくなってしまってここの紹介させていただいた次第です。

 

付下げや訪問着などのフォーマル着に合せていただけたらお似合いかと思っていまして、これこそが古典柄の王道を歩く染の技法で作られた羽織(道中着)になります。

 

今回はカジュアル系の着物や帯に注目が集まっていて紹介する機会を逃してしまいましたが、参考になれば幸です。

 

それではこれにて・・・
お休みなさい。

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