当店の「桜色の付けさげ」が婦人画報の4月号に掲載される・そして越後上布の話

4月号の婦人画報に載った当店の付けさげ

【店主の呟き】

 

3月の京都は同業者が京都入りしている先が少ない感じがしました。

春が訪れようとしていて、他店の動きが気になるところですが、仕入先の話を聞いていると、どこも明るい情報が少なく、様々な問題を抱えている感じがしました。

 

今日は珍しく和雑貨メーカーの重役さんとお話をさせていただく機会があったのですが、海外生産の商品は世界に広がったコロナ禍で生産が止まってしまったことや、材料費や人件費の高騰や円安などもあり、海外生産ができなくなっている。

一方で日本で作る商品の多くは内職に頼るところがあったのだが、コロナ禍で仕事を出す量が少なくなると、内職を辞めた人が増えて商品が作れなくなっているそうです。

 

ここに来て人が動き出したことを歓迎したいところだが、内外共に商品が以前のように作れなくなっているために、足元から見直しをしなければならないと考えている。

物作りの仕組みを変えるとなれば、この先一年近くかかるかと思っていて、お得意様にもうしばらく我慢して欲しいことを話されていました。

 

毎月京都の仕入先に来ていますが、似た話を至るところで聞くことが増えていて、深刻な状態になっている感じがします。

 

なので仕入先で心がドキドキする商品を目にしたときは、その時に仕入れるようにしていますが、それが在庫になっていることを思うと仕入れの難しさに頭を痛めます。

だが、商品を借りて商売をするというやり方は時代の流れに合わなくなっていて、私たち呉服店さんも店作りの在り方を考え直す時が来たように思います。

 

仕入先を廻っていて、紬などの織物に特化している仕入先で珍しいものを目にしました。

 

 

【越後上布の話】

 

 

 

いざり機織の越後上布(重要無形文化財)
いざり機織の越後上布(重要無形文化財)

 

それは重要無形文化財となる夏物きものである『越後上布』を「いざり機」で織っている女性を目にしましてね~

その現場を見るのは始めてて、一日でどれだけ織れるのかを訪ねてみると、たった15㎝前後だと聞いて、根気がないとできない仕事です。

なんでも越後上布の糸作りから物作りが始まったとしたら、一反を作るのに一年以上かかることもあるそうです。

 

越後上布は高価で重要無形文化財となっている訳がほんの少しだけ分かった気がしますが、確か一年間の越後上布生産は20点くらいと聞いて驚かされました。

 

越後上布もいつの日か作れなくなる時が来るかもしてないと感じた次第です。

 

担当者からは一反仕入れてみてはどうかと背中を押されましたが、浴衣を選ぶのとは分け違うので、心の中で「立派な専門店だと多くに人から認められるようになったら、その時には力になって欲しい!」と、呟く自分がいました。

 

そして嬉しいニュースが入って来ました。

先月「美しいキモノ春号」に当店の付けさげが載っていることをブログ記事にしましたが、なんと今度はその付けさげが婦人画報にも載りましてね~

 

 

【婦人画報に当店のきものが載りました】

 

 

 

 

2023婦人画報4月号に当店のきものが載る
2023婦人画報4月号に当店のきものが載る

 

こちらが全国の書店に並んでいる4月号の婦人画報です。

美しいキモノよりも読者が多いと思われるので、多くの人に店のことを知っていただけるかと思うと、とても嬉しくてね~

編集者に感謝しかありません。

 

 

4月号の婦人画報に載った当店の付けさげ
4月号の婦人画報に載った当店の付けさげ

 

4月号の140頁で、この店の名前も載っていて良い宣伝になるかと思っています。(店の付けさげは左のピンク地の着物です。)

現品は店にありますので、関心の持っていただけるようであればお電話ください。

 

それではこれにて・・・
お休みなさい。

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