【店主の呟き】
今日も素晴らしい天気となり、一日中車を走らせていました。
3月号の「あ・うん」に今月17日(金)~23日(木)までの一週間、店内で『木目込五月人形展』の開催を載せたからで、会が始まる前までに案内を済ませたいと思うところがあったからです。
店に戻ると気持ちが張り詰めていたのかグッタリ。
一人なった店内で畳に体を横にすると眠り込んでしまって、疲れが溜まっていたのかもしれません。
一日の仕事を通して頭の切り替えが難しく思っていますが、目が覚めると今日の投稿が始まる訳で、投げ出そうとしない自分を褒めてやりたいと思います。
では、今日の投稿です。
【永治屋清左衛門のきものと帯のお話】
今年も卯月の会が4月21日(金)から24日(月)まで開催させていただきますが、今回は「永治屋清左衛門」のきものや帯を紹介させていただきます。
こちらの商品を取り上げるのは2度目で、前回は3年前の卯月展のときでした。
コロナ感染が社会問題化していたときのことで、不幸にも石川県にも感染者が増え始めていまして、なんと、展示会を開く数日前に県内に非常事態宣言が出されましてね~
展示会の前とあって衝撃が走りましたが、ただ事ではないことは分かっていただけに、お客様に永治屋清左衛門のきものや帯をご覧いただくことが適いませんでした。
無念でなりませんでしたが、それから3年という時間が過ぎて、再び当店で永治屋清左衛門のきものや帯を紹介させていただく機会に恵まれたのです。
【七代目永治屋清左衛門が織った「春」】
永治屋清左衛門は江戸後期に丹後で創業した生糸問屋から始まり、丹後ちりめんの白生地メーカーとして一貫して糸にこだわってきた232年の歴史を持つ会社です。
創業者の名前が商品のブランド名となっていて、現在は七代目が商品作りに頑張っていらっしゃいます。
画像の円山公園の桜をきものとして織り上げたのも七代目永治屋清左衛門で、長い歴史の中で培われてきた織物の技をきものに表現しているところかと思っています。
なので清左衛門の作品は染めたきものや帯は一つもありません。
また、その技を持ってきものを作る会社が外にないために、市場に出回ることがなく、きもの雑誌では清左衛門のきものや帯が紹介されていますが、その商品に触れる機会も少ないのが現状です。
【ウイリヤム・モリスの柳】
最大の特徴はきものや帯に使われている絹糸にありまして、現在は世界最高峰と言われるブラジルの生糸であるブラタク社の「6A」ランクの絹糸を使用していることです。
その絹糸は、フランスの高級ブランド「エルメス」のスカーフに使われている糸と同じでだそうです。
私自身も「6A」ランクの糸のことを詳しく知らなかったので調べてみました。
【6Aなどの表示・格付けは、生糸(絹糸)に対する評価】
生糸は定められた検査方法から、欠点の少ない順に「6A」「5A」「4A」「3A」「2A」「A」の6段階で格付けされます。
具体的な検査方法については次の通りです。
・形状: 色や光沢、手触りはどうか。
・形状: 糸の不揃い、乱れ、虫食い、汚れなど外観はどうか。
・水分: 糸の中にどのくらいの水分があるか。
・平均繊度: 糸の太さが平均的かどうか。
・繊維偏差: 糸が太くなったり細くなったりしていないか。
・繊度最大偏差: 糸の太い細いの差が大きすぎないかどうか。
・節: 糸の節がどのくらいあるか。
・再繰切断: 糸を繰り直したときにどの程度切断するか。
・伸度: 糸がどの程度伸びるか。
以上の検査方法から認定された「6A」の絹糸を使って、きものや帯を織りあげているので、織物とは思えないしなやかさと絹の光沢を備えているんですね~
また長い歴史の中で培われてきた織の技も一流で、能衣装や文化的遺産となる衣装の復元にも力を注いでいました、美術館や寺院、文化庁からの復元品の依頼をいただくまでになっていまして、織物のスペシャリストと言っても過言ではありません。
その技をご覧いただければと、今回の卯月の会では永治屋清左衛門が復元した「お市の方」(織田信長の妹)の衣装となる『立涌に菊花唐織小袖』を特別展示させていただきます。
今月の京都出張の織に清左衛門さんの会社に寄って展示会の打ち合わせをさせていただいたときの、お市の方の衣装が美術館に貸し出しされていないことが分かったので、当店で展示できることの確認を取ってきました。
現在4月21日(金)からの開く「清左衛門展」の案内を知らせる販促物を作り始めたのですが、なのもかもが偉大で、どのようにまとめたらいいのか試行錯誤しています。
では今日はこれにて・・・
お休みなさい