加賀友禅作家「志々目哲也氏」に狐の嫁入り柄の訪問着と帯を創っていただくことに

加賀友禅作家志々目哲也との志々目氏の作品の前で

これまでにネットからのきもの相談を色々いただいてまいりましたが、白紙の状態からお客様の意向を聞かせていただいて、図案から始まって一つの作品を作らせていただくという、珍しいお仕事をいただくこととなりましてね~

 

依頼者が希望される模様は「狐の嫁入り柄の訪問着と帯」です。

私の店は加賀友禅作家さんが多く活動されている地元とあって多くの作家さんと交流があり、依頼をいただいた作品を加賀友禅で作らせていただくこととしました。

 

しかし創ろうとしている模様が加賀友禅作家さんが強みとしている花鳥風月の模様ではないことから、作家さんを一手にとりまとめている仕入先の担当者に相談してみると、「二代目・由水十久氏」に師事されて、独立された「志々目(ししめ)哲也氏」がふさわしいのではないかと、紹介してくださったんですね~

 

そこから物事が動き始め、何度か打つ合わせを重ね、作家さんの思いをお客様に伝えていくなかで、白紙の状態のものが少しずつ形が見え始めて来たのです。

 

ここまでは担当者を介してやり取りをしていましたが、このタイミングでお目にかかって、私の意思をハッキリ伝える必要があると考え、本日、志々目氏に時間を空けていただいてお会いしてまいりました。

 

 

【加賀友禅作家「志々目哲也氏」ときもの談義】

 

 

 

 

加賀友禅作家志々目哲也との志々目氏の作品の前で
加賀友禅作家・志々目哲也との志々目氏の作品の前で(作品/絽の訪問着)

 

その時の映像ですが、志々目氏は私を着物で迎えてくださいましてね~

これまで多くの作家さんとお会いしてまいりましたが、着物姿で挨拶を交わすのは初めてのことで、私が着物でないことが恥ずかしく思えました、

 

それから一時間近くお話をさせていただきました。

マスクを取ると芸術家っぽい髭をたくわえていらっしゃって、まだ38歳と若いのに日本一の作家になることを夢見ていて、その熱い想いにまだまだ伸びる作家さんであることを感じさせられるところがありました。

 

ちなみに私たちに背景に写っているのは、志々目氏が描いた絽の訪問着で、育った能登半島の珠洲市の海を描いたそうです。

これが加賀友禅かと思わせるようなダイナミックな作品で、優秀な若手さっさんだと聞いていましたが、こちらの作品を見て、そしてお話を聞かせていただいて、彼に任せたいと思う気持ちになりました。

 

大筋の図案がまとまったことから、次は原寸大の図案を見せてくださるとのことでしたが、大変忙しくしていらっしゃて、ゴールデンウィーク明けぐらいに描き上がるつもりでいるとのことでした。

 

私にとって、この体験は店に取って貴重な財産になるなることでしょう。

 

誂えというものがどのようなもので、信頼が底辺で結びついていないと力を出し切れない仕事でもあり、志々目氏と目を見てお話ができて本当に良かったと思っています。

 

相談をいただいたお客様には今日の出来事を電話で話をさせていただきましたが、ご理解をいただくことができて嬉しく思います。

 

それではこれにて・・・
お休みなさい。