正絹の白長襦袢の変色と汚れお直しの相談・きもの難民が増えているのかも

正絹白長襦袢の汚れ落としの相談

いつも呟いていることですが、地域の呉服店が激減してまして、きもの相談ができ先がないという「きもの難民」非常に増えているのではないでしょうか。

 

店には連日、寸法直し、シミ抜きやカビ取り、着物の丸洗いや半衿の取付けなど、ご自身で対応できないきもの相談をいただくことが増えています。

 

そのお客様の多くが新規客で、「何処で相談したら分からないからここに寄せていただきました。」と、申し訳なさそうに要件を話されますが、要件が違えども、きもの相談に尋ねる人が毎日のようにいるかと思うと、呉服店の減少に反比例して着物難民が増えていることに気づかされます。

 

今日も、きもの相談のお電話を先にいただいてから、数点の着物を持って「着物のことで相談したいこことがあるので聞いて下さいますか?」

 

落ち着いてお話を聞いてみると、二組の色留袖とそのきもにあわせる袋帯を3本、そして長襦袢を3枚。

合せる帯締め帯揚げなどの和装小物もお持ちになって、本人が着る色留袖のコーディネートと、もう一組の色留袖の着物コーディネートが可笑しくないかのアドバイスが欲しいと言うのです。

 

そして最も気に掛かるのが、ご自身の色留袖に合わせる長襦袢が見るも無惨な状態になっていて、代わりに柄物の長襦袢で対応できないだろうかと、そのお襦袢を見せてもらいましたが、唐辛子柄の色付き長襦袢であることから、礼装用の着物にはふさわしくないカジュアル系に長襦袢であることをお伝えさせていただきました。

 

 

【正絹の白長襦袢を直して欲しいとの相談】

 

 

 

正絹白長襦袢の汚れ落としの相談
正絹白長襦袢の汚れ落としの相談

 

となればこの長襦袢しか無いと見せられたのが、30数年前に色留袖に合せて誂えた白の正絹長襦袢で、汚れと黄変がひどくて着ることが出来ません。

 

それが画像に写る長襦袢です。

 

お客様からどうしたらいいかと振られたので、次のような話をさせていただきました。

この状態になってしまうと汚れ落としは困難で、一度、反物の状態に縫い合わせてから漂泊仕上げをして、真っ白の状態に戻してから、もう一度、仕立てるという方法が一つ。

もう一つは、この長襦袢を使うことを諦めて、新しい白長襦袢を用意するという選択肢がありますが、コストがかからないのは「漂泊仕上げ」になるかと思います。

 

漂泊仕上げはお時間がかかるために、職先の担当者に納期を確認するとギリギリ間に合うとのことだったので、漂泊仕上げしてから仕立てるという段取りで仕事を受けました。

 

他にも着る人の体型に合っている寸法になっているのか、着物と長襦袢の寸法が合っているのかを確認させていただいて、着物のシミ抜きやシワ伸ばし、半衿の取付けなど、あるとあらゆる点検をさせていただいて、気持ち良く着物が着られる状態になるまでのことを当店が承ることとなりました。

 

このようなお直し相談が毎日のように続いてまして、その対抗に時間が取られたりもしますが、お客様のホッとしたお顔を見ると、お役に立つことが出来ているという喜びを味わうことができるんですね~

 

このような相談をいただく場合、こ使用日が迫っていて段取りが大変ですが、一人でも多くのお客様に喜んでいただける店でありたいという店の想いもあって、ベストを尽くすようにしております。

 

こうして一日が終ろうとしていますが、今日も気忙しい日となってチョット疲れました。

いつまでこのような日が続くのかと思うこともありますが、こんな厳しい時代に仕事があることに感謝しないといけなけませんね。

 

それでは今日はこれにて・・・
お休みなさい。

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