昨日店にお越しになられていたお客様が嬉しい言葉を投げかけてくださいましてね~
最近出会いをいただいた金沢在中の方で、和装小物ののこで相談をいただいて、用意させていただいた品を見に来ていたときのことでした。
商談が終り商品の計算をしていたときに、そのお客様は売場を見て歩きながら、
「ここには珍しい柄やユニークな商品が多くあって、どれも品が良くて大人の香りがしていて、石川県では珍しい店だと思うわ。私好みの店と言えるかもしれない。
お客様が話を正確に捉えたものではないが、そのような意味合いの話を私にしてくださいました。
それは、これまで目指してきた店作りの形で、出会いをいただいた新しいお客様が店の想いを受け止めていただけたことが嬉しくてね~
お客様は一年近く前にこのブログを偶然目にしたことが、私の店を知る切っ掛けとなったそうです。
私は20年近くブログを毎日投稿していますが、昨日のお客様が19年目に出会いをいただいたお客様になります。
お客様を増やしていくことって、そして信頼と安心をいただくことって想像以上に難しいことで、諦めないという強い気持がないと手にできないものかと考えています。
毎日の踏み出す力の一つ一つが店作りの細胞となって、未来の店を創っていくのでしょう。
今日は聞き慣れない「長板本染中柄」という、江戸時代中期末頃より行われてきた技法で染めた浴衣地をコーディネートしたのでご覧ください。
【長板本染中形をクジラの染帯で合わせる】
長板本染中形とは、反物を染めるための長さおよそ三間半(約6メート50㎝)の縦長の一枚板に生地を張って、小紋よりも大きめの模様が彫られた中くらいの型紙(約40㎝角)を用いて表と裏の両面に寸分違わずに型付け(防染糊を置くこと)をして、藍甕(あいがめ)で染めたゆかたを「長板中形」と呼びます。
その長板本染中形の生産量が少なくなっていることから、その価値を高める意味で、街着としてクジラの染帯でコーディネートしたものです。
山葡萄のバッグと竹皮の台に江戸小紋の鼻緒ですげ下駄を合わせ、加賀染め足袋の千鳥柄できもの遊びとなる着こなしを創ってみました。
この装いで外出されたら愉しめると思いませんか。
誰もが注目をして、その着こなしに心が奪われることでしょう。
【クジラの模様の夏染帯】
こちらの長板本染中形は天保13年(1842年)創業の竺仙さんが染めた着物で、合わせた絽の塩瀬帯の染めたクジラ柄の帯が面白いと思いませんか。
暑い日でもこの帯なら締めたお出掛けしたくなるのではなないかな~
【染帯の腹の模様】
染帯の腹の模様も紹介させていただきます。
好みもあるでしょうが、見た目の涼しさもあってお勧めさせていただきたい帯です。
夏物に対して本腰が上がらないかもしれないが、湧水のように市場に商品が出てくるという業界でなくなっているので、心が動く出会いがあったなた迷わず手にされることをお勧めします。
では今日はこれにて・・・
お休みなさい。